
CARTA MARKETING FIRMのDSP(Demand-Side Platform)部で部長をしている @wanimaru47 です。
Engineering Manager Conference Japan 2025に参加してきました。
7割ぐらいはEM的な仕事をしている人が参加していたイメージです。 残り3割は、VPoE・CTO、学生、EMに興味のあるICや広報といった印象でした。 参加者は200人以上いたのではないかと思います。基調講演も満席に近くとても盛況な印象でした。
講演
エンジニアリングマネージャーのロードマップエンジニアリングマネジメントの4次元と生成AI時代の戦い方 by 広木 大地さん
https://hirokidaichi.github.io/presentation/emconf.html
EMの中にも四つの帽子(Product, Project, People, Platform<-Tech)があるよねって基礎的な話から始まり、生成AI時代にどのようなマネジメントが必要になってきそうかって話でした。
前半は、仮説を立て、早く失敗しながら前に進もうというメッセージが強かった印象です。 「エンジニアリング組織論への招待」の内容に沿っている感じでした。
後半は、生成AIの登場によってメンバーあたりの生産性は向上していきより少ない人数で同じことを実現していくことになる。 その結果として、同じようなスキルを持ったメンバーで構成される組織から多彩なスキルを持った組織へ変わっていく。 より多様性が高くなるよねって話でした。
プロダクト部門のマネージャー全員でマネジメントポリシーを宣言した記録 〜後日、実践できているか?内容は妥当か?を評価できる仕掛けを添えて〜 by piro takaharaさん
https://techblog.stanby.co.jp/entry/ManagementPolicy_creation
2年ぐらい前のCARTA MARKETING FIRM開発局の状況にちょっと似ているなって内容でした。
EMたちがちゃんとフィードバックをもらったり、アドバイスを求める場があるかってところからEMが集うバーチャル組織ができたそうです。 この辺はCARTA MARKETING FIRMにTech Leadという役割が誕生し、定例で情報共有するようになったのに近い状況だなと思いました。
加えて、EMがどんな指針で行動しているのかを言語化して公開することでメンバーからのフィードバックへ繋げたとのことでした。 CARTA MARKETING FIRMでもTech Leadが集まってお互いの強みだったり期待だったりをフィードバックし合うって機会がありました。
話を聞きながら、今の組織の昔のことを少し振り返ることができました。
エンジニアリング価値を黒字化する、バリューベース戦略を用いた技術戦略策定の道のり by Kazuki Maedaさん
経営戦略と技術戦略の両立が難しいって話でした。
経営指標である売上、利益、CAC、LTVなどがエンジニアの活動がそのまま直結できるケースが少なく、これを経営陣にどのように説明していくといいかという話でした。
その中でバリューベース戦略というフレームワークでエンジニアリング活動が何に影響するのかをプロットしながら戦略を立てていったという話でした。
バリューベース戦略はWTP(Willing to Pay: ユーザーが払ってもいい最大金額)、WTS(Willing to Sell:提供の最低ライン)の差を価値と考えて、WTPとWTSのどちらかもしくはどちらにも影響のある戦略を立てようという感じでした。
この書籍に詳しく書いてあるとのことでした。
1行のコードから社会課題の解決へ: EMの探究、事業・技術・組織を紡ぐ実践知 by 熊谷 遼平さん
https://speakerdeck.com/9ma3r/emconf2025
一つ前のMaedaさんの講演をもっと座学的な内容にしたでした。 資料をみると密度の濃さに圧倒されました!!!!!
様々なフレームワークが紹介されており、これから経営目線でもマネジメントしていきたいというエンジニア出身者には学ぶきっかけを掴むのにちょうどいい発表でした。
「Govtechという巨大な山に挑む」エンジニアが活躍する、世界最強の行政DXチームを目指す by 井原 正博さん/廣瀬 幸帆さん
東京都のDXチームとのこと。
仕事は絶対にベンダーに発注したりしないといけなかったりする辛さがあったり、行政ならではのいきなり「700億円のキャンペーンやるよ」と言われたりするそうです。 民間では味わえない面白さがあるようでした。
日本全体のDXのロールモデルになれば良いなと思い活動しているのはとても応援したくなりました。 一方で、都民は半分もいないらしいのが面白ポイントでした。 それだけ、東京の行政改革の波及効果が大きく、期待が高い表れかなとも思います。
n=1の経験が紡ぐエンジニアリングマネジメントの可能性 by 岩瀬 義昌さん
前半は、岩瀬さんのEMになったきっかけを語っていただきました。 後半は、広木さんみたいに生成AI時代に何が求められるかって話でした。
冒頭に「チェックイン」がありました。
- 今日学びのあったことを思い出す(数十秒)
- 今日の学びを隣の人と共有する(1人1分)
このチェックインは強制的に人と話す機会になるのでとてもよかったです。
この図は最高にいいなと思ったので貼っておきます。
まとめ
一言にEMと言っても組織規模であったり、事業フェーズによって対峙している課題が違ったので面白かったです。 様々な施策で成果を上げるEMの事例を見聞きし、EMはチームのパフォーマンスを最大化していく重要な役割だと再認識することができました。
また、登壇者たちのインプット量には驚かされました。 発表資料などには多くの参考図書などが紹介されています。 当日参加できなかった方も、発表資料から多くの学びが得られるでしょう。
甘んじない気持ちを新たにする、良い刺激がもらえるカンファレンスでした! 来年の開催も期待したいと思います!



