CTOが聞く Vol.4 DIGITALIO 松本「多様な事業とプロダクトをもつ事業会社で挑戦する、新たな領域」

CARTA HOLDINGSで働くエンジニアたちにCTOが「最近なにやってるの?」をざっくばらんに聞いていくシリーズです。今回はCARTA HOLDINGS CTOのすずけんが、事業子会社の一つであるDIGITALIOでCTOに就任した松本さんに話を聞きました。

インタビュアー:鈴木健太 Twitter ID @suzu_v(写真右)
株式会社CARTA HOLDINGS 執行役員CTO / 株式会社fluct取締役CTO。社内では「すずけん」と呼ばれる。「みんなのGo言語」「データ分析基盤入門」共著者。ウェブ技術全般に明るい。ポッドキャスト「ajitofm」をやっています。

インタビュイー:松本昌裕(写真左)
株式会社CARTA HOLDINGS / 株式会社DIGITALIO CTO。社内では「をいで」さんと呼ばれる。メディア事業を中心に様々なサービスの立ち上げ、開発、運用に従事。課題の発見とミニマムな解決方法の模索が好き。DIGITALIOはメディア事業、販促DX事業、リテールDX事業、ヘルスケア事業など多数の事業領域でサービスを運営しています。

新生したDIGITALIOとCTO

鈴木健太 (以下、すずけん):さて今日はDIGITALIO(デジタリオ)についてCTOの「をいで」さんにいろいろ聞いていこうと思います。早速ですが、自己紹介と最近の近況についてお願いします。

松本昌裕 (以下、をいで):DIGITALIOでCTOをやっている「をいで」です。2022年1月にVOYAGE MARKETING(以下、VM)が社名変更してDIGITALIOになって、そのタイミングでCTOに任命されました。DIGITALIOはいろんなサービスを運営している会社なので、システムやエンジニアリングに関して事業を横断して見る人がいた方が良いだろうということで。今はそれぞれのサービスについてキャッチアップしていて、DIGITALIOが今後より良いサービスを作っていけるようにやっていきたいなと考えているところです。

すずけん:をいでさん自身もDIGITALIOの前身のVMの時代からたくさんの事業を見てきてるんですよね。

をいで:そうですね。僕は2010年に中途で入社しているんですけど、そこからメディア領域の事業に関わっていました。最初はサービス比較事業いわゆる比較サイトから入って、そこからスピンオフした回線取次事業やMVNOの事業をやったりしました。その後、今のDIGITALIOでも大きな事業となっているポイント交換事業「PeX」に関わり始めて、さらにそこからスピンオフしてできたデジタルギフト事業「デジコ」の立ち上げなどにも関わってきました。

pex.jp digi-co.net

すずけん:スピンオフ多いですね(笑)昔からスピンオフって多いものなんですか?

をいで:振り返ってみると多いですね(笑)前はよく事業開発コンテストのような機会があって、今言った中だとデジタルギフト事業などができるきっかけになりました。元々、PeXでたくさんデジタルギフトを扱っていたので、その在庫を利用して新しいサービスができないか、ということで出てきたりしました。そういうことが多かったですね。

すずけん:なるほど。僕も技術力評価会(CARTA HOLDINGS全社のエンジニアが部署をまたいで相互に能力評価をする仕組み)の中で、デジタルギフトサービスのレビューしてました(笑)

をいで:あー、なるほど。そうでしたね。

すずけん:大量のギフト券が在庫としてあって、そして在庫があるところにはサービスが生まれるんだなって、その時思いました。

をいで:そうですね。取り扱うボリュームが増えていくと、当初思っていなかった方向に新しいことができる、そういうことを繰り返しやってきたのかもしれないですね。

すずけん:そうですよね。「ECナビ」などのポイントメディア事業を中心に、資産を活かして新しい事業を作るということを、横にも縦にもずっとやってきてますよね。

ecnavi.jp

をいで:そうですね。PeXのポイント交換事業もECナビというポイントメディア事業をやっていたからスピンオフして出てきた事業なので。

すずけん:ECナビにたくさんポイントがある、ポイントをいろんなサービスに交換できたら嬉しい、みたいな。

をいで:そうそう。

すずけん:深化と探索ですね。そんな中で、をいでさんはエンジニアとしては、事業のスピンオフもそうですけど、新しい事業をやる時には、立ち上げに関わってチームを持つことが多かったんですか?

をいで:いわれてみればそうですね。最初は、既存事業に組織変更があってシステムを見れる人が欲しいからと、そこに入ることからはじまったんです。でも、そこから新しいものを作る時には呼ばれて、僕と事業責任者の2人ではじめるみたいなことが増えてきましたね。

すずけん:2人ですか(笑)じゃあ、WiMAXとかも?

をいで:そうですね。WiMAXの事業をはじめようとした時もエンジニアは僕一人でしたね(笑)事業立ち上げの時ってプロトタイプを作るところからはじめる時もありますけど、例えば外部に協業する会社がある時には、まずビジネス要件をどう固めていくかから入るケースも多かったので、最初からエンジニアを何人もアサインしようとはならなかったんですよね。エンジニアの目線が欲しいので、まずは一人目というタイミングで入り込むケースが多かったですね。

すずけん:じゃあ、DIGITALIOで事業を作る人たちは、をいでさんを呼んでおけばいい感じに要件定義してくれるし、呼んでおこうと?

をいで:そうですね(笑)なにかシステムの話になりそうだから呼んでおこうみたいな、そういう感じで入ることが多かったですね。

すずけん:ありますよね。最初に作る時には、そもそもシステム的に何が必要かもまだわからないタイミングってありますし。

をいで:そうそう。まだなにを作るべきか分からないタイミングから話を聞きながら、どうやらこの部分をシステム化すると良いんじゃないか、とかその辺りの当たりをつけるところから入ってましたね。

すずけん:ちなみにこれまでやってきたプロジェクトの中で印象に残っているものはありますか?

をいで:そうですねー。2011年あたりに、複数のサービスを同時に立ち上げようとしていた時、(システムを構築する)プラットフォームをどこにするか検討してたんですね。当時はまだオンプレを普通に使っていたんですが、せっかく新しいものを作るんだったらクラウドも試してみたいねと。一つのサービスはAWSで環境を作ったんですけど、もう一つのサービスはSalesforceを使ってみようとなったんですね。

すずけん:へー。

をいで:当時の僕の予想ではAWSで作ったものが生き残りそうだから、既存のサービスもオンプレ環境で動かしていたものは、将来的にAWSへ寄せていこうかなと思っていたんです。でも、結果的にはAWSを使ったサービスは上手く立ち上がらずに終わってしまって、Salesforceで作った方が長く生き残ったとか、ありましたね。やっぱり事業の未来を予測するのは難しいなと思ったことが、印象に残ってますね(笑)

すずけん:Salesforceで立ち上げるってことは、営業から入ってくる申し込み情報とかをSalesforceのDBに入れるとか、そういうことですか?

をいで:そうですね。ユーザーからの申し込み情報の管理に使ってました。SalesforceにApexというJavaライクな言語、フレームワークがあって、DB作ってAPI使ってやりとりして、月額課金のサービスだったので課金に関する情報もSalesforce上で管理してました。

すずけん:なるほど、ユーザーさんからWiMAXの月額料金の徴収を管理するのを作っていたと。

をいで:そう。なので、わりとガッツリと使ってましたね。

すずけん:興味本位なんですけど、請求とかもSalesforceで?

をいで:カード決済してもらうので、決済に必要な今月の課金者かどうかのステータスとかそういう情報はSalesforce上で管理して、カード会社とのやりとりは決済代行会社のAPIを使って連携してました。だから会員管理って感じの使い方ですね。

すずけん:なるほど。この辺は自分で使ったことないから、なにができるのかあまり知らなかったんですよね。ありがとうございます。

をいで:随分前の話ですけどね(笑)

新領域への挑戦

すずけん:DIGITALIOの前身のVMの時代でも、ECナビとかPeXとかポイントメディア事業をやってましたけど、今はDIGITALIOになったわけじゃないですか、そういうタイミングで事業やサービスの作り方って何か変わったりしたんですか?

をいで:まず引き続き変わってないこととして、運営しているサービスの種類が多いというのは変わってないですね。ポイントメディアの他にコンテンツメディアとかWiMAXとか多くのサービスがあって、その後クローズすることもたくさん経験してきたんですけど、とにかくいろんな事業やサービスが同時並行で稼働しているのは変わらないですね。

DIGITALIOが提供する多様なサービスたち

すずけん:今も「キャンタ」とか。 camter.net

をいで:そうですね。そして今のDIGITALIOになる少し前に、大きく変わったことがあります。これまで既存領域からのスピンオフが多かったんですけど、最近ではまったく新しい領域にチャレンジしていこう、ということです。

すずけん:販促領域とか?

をいで:そう。販促とか、あとリテール領域とかFinTechとか、この辺りの新しい領域を攻めていくぞとはじめて、実際に徐々に立ち上がりつつあるという状況ですね。

すずけん:ボトムアップで作るというより、この領域でいくぞと決めて作っていくと。

をいで:そうですね。中でも先駆けになったのは給与前払いのRemoneですかね。 remone.jp すずけん:最初、元々fluct(CARTA HOLDINGSの事業子会社のひとつ)にいたマイケル(現リテール領域の事業責任者)が異動して「給与前払いの事業やります」って聞いて、なんで?ってなりました(笑)

をいで:そう(笑)でも、元々ポイントっていうお金にも近いものを扱うっていうところに歴史も知見もあるので、そこから思考していくとそういった領域に近づいていくというのはあるんですけど、最近はポイントメディアという領域からあえて離れた領域にチャレンジしていこうという感じになってきてるかなと。

すずけん:(VMは)ポイントメディア事業を軸に呼ばれることが長かったですけど、そこからマーケティングの会社になったんですね。

をいで:そうですね。ポイントメディアやポイントに限らないメディアも含めて、自分達で長く運営していると、やりたいことが増えたり変わっていく中で、だんだん(負債が)溜まっていくじゃないですか。それをなんとかしたいということで、自分達に対して最近でいうDX(Digital Transformation)をやってきました。その延長上で、社外にもそういったサービスを提供できるのでは、という状況にここ数年でなってきたんじゃないかなと思いますね。

すずけん:なるほど。をいでさんの中で、なんとなく新生したなっていうタイミングっていつ頃ですか?

をいで:そうですね。組織的にも数年前に担当役員が古谷さん(CARTA HOLDINGS 上級執行役員 コンシュマーSBU長)に変わって、既存の事業を育てつつも新しい領域にどうチャレンジしていくかというタイミングがあって、その頃ですかね。

すずけん:僕も古谷さんがfluctの社長だった時にはずっと一緒にやっていたんですが「(違う事業領域の)VMに行く」と聞いて「まじか(笑)」と思いました。その後、古谷さんに「最近なにやっているんですか?」って聞いたら「すずけん、今、販促が熱いんだよ」といって、いろいろ教えてくれて(笑)

をいで:古谷さんなら、いいそう(笑)

すずけん:カンファレンスとかで情報収集しながら練って、1年2年すると事業として形がだんだんできてきたりするので。(fluct時代も同じようにしてSSP事業が立ち上がっていたので)古谷さんは前から変わらないなという気がしますね(笑)

をいで:(笑)

社名変更とコミットメント

すずけん:さて、DIGITALIOに社名を変えたじゃないですか。これはどういう機運があったんですか?

をいで:母体のCARTA HOLDINGSとしても経営統合(2019年VOYAGE GROUPとCCIが経営統合)して、さらに融合して新たな企業体を作っていくぞという大きな流れがあったと思います。(現DIGITALIOの)中でも、2年前くらいから自分達が今までやってきたこと、社外に対して提供できる価値ってなんだろうと考えるプロジェクトが立ち上がって、改めて自分達が社外に向けて届けたい価値を言語化したんですね。その中で、DIGITALでのINPUT/OUTPUTをすることで、世の中を良くしていこうという言葉が定着していったんです。

すずけん:コーポレートサイトもかっこよくなりましたよね。

をいで:そうですよね。デザイナーの力ってすごいなと思いました。絶対、僕にはできないなと思う(笑)

すずけん:榮さんがCDO(Chief Design Officer)に着いたんですよね。

をいで:そうですね。榮さんは去年からコーポレートデザイン室を立ち上げて、先行してDIGITALIOに切り替える準備をやってくれていました。

すずけん:コミットメントのページにも「デジタルを軸としてサービスを創造・提供し、社会を前進させる」とありますけど、変わったなぁと感じます。行きたい方向がストレートに書かれてますよね。

Commitment

デジタルを軸としてサービスを創造・提供し、社会を前進させる We create and provide services based on digital technology.We will move society forward.

DIGITALIOは、デジタル×サービスデザインカンパニーです。

DIGITALIOは今までECナビやPeXといったポイントサービスをはじめとして、多様なサービスを立ち上げ、育ててきました。また、時にはパートナー企業と協業という形で、コトバンクやマンガぺディア、ANAマイレージモールなどのサービス開発をしてきました。

我々が定義する「サービス」とは、「ヒトが必要とする価値」です。そのため、BtoBでもBtoCでも、本当にヒトが必要としているものであれば、自ら先頭に立って開発をします。

これからも、DIGITALIOは多様なパートナー企業と連携しながら、サービスを創造し、育み、提供し続けることで、社会をひとつずつ前進させていきます。

をいで:一見、DIGITALとかDXとかちょっと華やかな言葉で誤解されがちなところもあるかもしれないんですけど、自分たちが自分たち自身にやってきたこと、これまでのクライアントさんたち、そしてユーザーさんたちに届けてきた価値を考えて、一番しっくりくる言葉に落としていった時に、こういうところに落ち着いていったんですよね。

すずけん:ちなみに、この「サービスデザイン」というキーワードはどういう背景があって選んだんですか?

をいで:「サービスデザイン」という概念は、ユーザーさんに向けたサービスだけではなく自社のスタッフの働き方等も含めデザインしていこうという話なのですが、端的に言うとDIGITALIOではそういったサービス提供側の組織や仕組み自体のデザイン無くしては、事業は持続しないと思っているからです。
いままでDIGITALIOでは、ECナビを中心として、10年以上toC/toB向けにサービスを継続して提供してきました。
ECナビやコトバンク、いまのデジコのようにうまくいっているサービスがある一方、見た目だけ取り繕ったり、表面的な売上だけを取りにいくサービスは、どこかで自分たちが疲弊し、継続が難しくなる。そんな失敗もいくつも経験し、学びを得て改善してきたのがDIGITALIOです。
新社名と一緒に新しいDIGITALIOのコミットメントを考えていく中で、「実は広義にサービスをデザインすると言う考え方は既にDIGITALIOの中でも一定数根付いており、強みとして掲げることができるんじゃないか?」そう考えて、今回のコンセプトに至っています。

DIGITALIOのエンジニアリング、そしてこれから

すずけん:なるほどー。さて、ここまで過去とDIGITALIOについて聞いてきたので、技術やエンジニアリングに関することも聞こうと思うんですけど、ECナビ・PeXという大きなポイントメディア事業がありつつ、新しい領域で事業も作っていこうしている中で、エンジニア組織とか技術の扱いやアプローチの変化ってなにかありますか?

をいで:これからやっていきたいなというところでいくと。これまでたくさんの事業やサービスがあった中で、サービス毎に固定のチームがありました。そして、それぞれのチームがそれぞれの領域で突き詰めて最適化していくことで、サービスやプロダクトを強くしていくということをずっとやっていたんですね。全体の効率化よりも、小さなチームで力を凝縮して取り組むことに特化していて、もちろんそれが効率良い面もあるんですけど、逆に隣のチームはなにをやっているのかとか、他のチームで利用しているものを上手く取り込んで利用しようとか、そう言った動きはやりづらかった面もあったんです。これは事業のフェーズによってどっちが良いとかは変わってくると思うんですけど、今は僕から見ると部署やサービスを横断して身軽に動けるようにした方が、全体として力が発揮できるんじゃないかなと思っていて、この辺がやりやすいようにDIGITALIO内にもCTO室を立ち上げたりもしました。横串の動きがしやすいようにしようと思ってるんです。

すずけん:すごく分かります。CARTA HOLDINGS自体も同じように多くの事業の集合体なので(笑)DIGITALIO CTO室も2022年1月から?

をいで:そうですね。1月からです。独立性が高いから発揮しやすい力もあれば、横断した方が発揮しやすい力もあるから、上手くいいとこ取りしたいなと。

すずけん:ですねー。DIGITALIOは今エンジニアって何人くらいいるんでしたっけ?DIGITALIO内の他のプロダクトに担当を移したりすることもあるんですか?

をいで:30人くらいですね。ありますが、これまではそんなに多くはなかったですね。

すずけん:をいでさんがイレギュラーだったんですね(笑)

をいで:僕の場合は部署ごと統廃合したりもしてましたからね(笑)ここしばらくは大きくチーム構成を変えたりしてなかったですけど、これから加速していくぞというタイミングですね。やはり新しい部署を立ち上げて新しい事業をやっていくぞとなると、人も異動していくケースは増えていくかなと。

すずけん:fluctの時も悩ましくて、SSPという大きな事業がありながら新規事業をやりたいとなると、大きく稼いでいるのはSSPで人がいないとだし、でも新規もやらないと伸びないしで。

をいで:そうそう。新しいこともすごくやりたいけど、じゃあ今までやってきたことをやらないで良くなるかというと、そういうことはないので...(笑)

すずけん:わかります...(笑)あと、せっかく新しいものを作るという機会をメンバーのエンジニアに体験して欲しいなというのも同時にあるので、そのバランスにずっと悩んでいましたね。

をいで:そこは難しいですよねー。上手い回答がスパッと出るかというと難しいんだけど、気軽に手伝えるという状況はもっとあってもいいのかなと思っていて。

すずけん:がっつり2週間コミットというより、1時間ペアプロしてください、くらいの。

をいで:そう、話を聞いたり相談できるとかもそうだし。例えばDIGITALIOのコーポレートサイトの件も誰が作るのかとなったときに、今まではエンジニアは各サービス・プロダクトにがっつりアサインされていたので、じゃあそこから異動してコーポレートサイト作るのかとなると、すごく大仰な話になってしまうんですよね。だからなかなか手が集まらなくて、刷新したいけどなかなか動きがとれないところもあって......榮さんも困ってたんですよね。そういうこともCTO室で受けられるようにやってますね。

すずけん:なるほど。元々、各チームで事業とサービスに向き合ってを作るエンジニアしかいないからってことですよね。

をいで:そう。でも、それはそうなんですよね。事業会社なので事業をやってお金を稼ぐことがメインのところなんだから。

すずけん:わかります。

をいで:これまでは、例えばそれぞれのサービスのアカウントの管理もそれぞれでやってましたけど、CTO室をきっかけにDIGITALIO全体として横断的に取り組めると楽になることがあるなと。

すずけん:例えば、DIGITALIO Service IDみたいなものを作ろうとしたら、ってことですよね。DIGITALIOのサービスを横断するような仕組みを作ろうと思ったら、一緒にやった方が良いよねと。

をいで:そうですね。個々のサービスを担当するエンジニアばかりだと、そういうことを話す場もなかなか生まれづらいじゃないですか。

すずけん:そうですよねー。

をいで:実際に作るかどうかは別として、それぞれのプロダクトからちょっと離れた検討できる場があった方が進むだろうなと思いますよね。

すずけん:それは現状だとDIGITALIOのCTO室がハブになるイメージなんですかね。

をいで:そうなっていくといいなと思ってます。現状実態としては、誰も直接アサインしづらそうな話に突っ込んでいって、とりあえず「こっちで受けます、話を聞かせてください」みたいな活動が中心ですけどね(笑)

すずけん:落ち葉拾いというか(笑)

をいで:そうそう(笑)考えたり、頼んだりしたいけど行き先がないものの行き場所を作るというところからかなと思ってます。

すずけん:なるほど。今後、CTO室がある状態しか知らない人が出てくるとDIGITALIOのCTO室がない時ってどうしてたんだろう...ってなりそうですよね。

をいで:そうですね。そうなってくれると作った意味があるという感じになりますね(笑)

すずけん:せっかくなので、今DIGITALIOで絶賛立ち上げ中でエンジニアが欲しい!っていうところはどこのチームですか?

をいで:それはねー、もう全部の部署でエンジニアが欲しいっていってるんですけど(笑)あえてひとつ上げるなら、今後、力を入れていこうとしているリテール領域ですね。小売店舗向けのサービスを提供していきます。まずは店舗で使われる会員証アプリをLINEミニアプリとしてリリースしていくところから立ち上げているところなんですけど、ゆくゆくは店舗向けのマーケティングプラットフォームになるように育てたいなと考えています。なので、絶賛プラットフォームを一緒に作ろうぜ!なエンジニアを募集中です。募集要項はこちらです。 hrmos.co

すずけん:今はone by oneというか、それぞれに向けてアプリを作って動くことは確認していて、将来的には店舗や店舗の利用者であるエンドユーザーさんに追加でサービスを提供したり、データを使ったマーケティングをしたいとかそういうイメージですよね。

をいで:そうそう。事業としてもリテールから業界に入っていって、まずそこでDIGITALIOとしての価値を発揮する。その上でさらに発展させると店舗側と対面するメーカー側に紐づいていくので、そちら側の領域となると今度はDIGITALIOのもう一つの軸である販促領域になるんですね。

すずけん:あー、なるほど、たしかに。

をいで:そこを上手くシステム的にも事業的にもつなげられると良いプラットフォームが作れるんじゃないか、というのがDIGITALIOとして当面やりたいことですね。

すずけん:なるほど。例えば、2月の頭になるとチョコレートがめっちゃ売れる、じゃあどういうところで、なにがどれくらい売れてる?みたいなマーケティングデータをメーカーさんに渡していって、小売さん側とメーカーさん側をつなぐような仕組みを作っていくとか?

をいで:まさにそうですね。業界としても古くからある業界だし、ITとかが始まる前からある業界なので、取り組みがいのある領域だなって思ってますね。大変だなとは思いつつ(笑)

すずけん:夢は大きく、フィードバックは小さく(笑)

をいで:そうですね(笑)なので、最初は小さくちゃんと作って着実に広げていきたいなと思いますね。

すずけん:なるほどですねー。今ってDIGITALIOの中の開発チームって何チームくらいあるんですか?

をいで:大きな括りでいうと3つですね。販促領域のチーム、リテール領域のチーム、メディアのチームです。もうひとつヘルスケア領域の事業があるんですけど、現状社員としてのエンジニアはいないんですよね。あとチームとしては、メディア領域のチーム内でも(プロダクトごとにチームが)わかれているって感じですね。

すずけん:メディアって(ポイントメディアである)ECナビやPeXも入るってことですよね。

をいで:そうですね。メディアの中でも大きな括りでいうとポイントメディアとコンテンツデータビジネスで別れているって感じです。

すずけん:コンテンツデータビジネスはコトバンクとかですか? kotobank.jp

をいで:そうです。コトバンク、マンガペディア、C-POTとかをやっているチームで、チームメンバーとしては私もここに入ってます。 mangapedia.com c-pot.co.jp

すずけん:なるほど。今まではこういったチームの単位でそれぞれで動いていたと。

をいで:そう。それぞれで動いて、それぞれで頑張ってました(笑)

すずけん:ちなみにECナビだと過去のカンファレンスでも、技術的負債を返済したとか、リアーキテクティングしたという話を発表してましたけど、その辺は落ち着いたんですか?また別のサービスをリプレイスしたいとか新たな波がきたりしてるんですか?

をいで:ECナビで取り除きたい大きな石としては、最後の取り組みをしているところですね。『Engineers in VOYAGE』でも触れられていたかもしれないですけど、長年利用していたOracleから脱却しようというのが最後に進行中ですね。一番コアなポイント周りのデータを移行していこうというところです。

すずけん:心臓ですね(笑)

をいで:そう、心臓です(笑)

すずけん:ポイントメディアの心臓移植だ(笑)それをいま絶賛やってるんですねぇ、しびれる仕事です。移行先はRedshiftとかですか?

をいで:MySQLに持っていきますね。これでECナビとしての大きなリアーキテクティングは終わりそうというところです。そして今度はデジコですね。デジコも立ち上げから7〜8年経っているので、そろそろ一回テコ入れをした方がいいかもねということで。

すずけん:なるほどー、デジコ。

をいで:DIGITALIOには、立ち上げ時期も運営期間も違うさまざまなプロダクトが同居しているので、いつもどこかでリノベーションしているという感じではありますね(笑)

すずけん:あー、なるほど。こっちの部屋を直したら、今度はあっちの部屋もと(笑)

をいで:でもそれはそうなんですよね。これだけいろいろなサービスを幸いにも長く運営できているから、どこかではそういうタイミングがくるよなーとは思います(笑)

すずけん:たしかに。ちなみにデジコってなにで書かれているんでしたっけ?PHP?

をいで:PHPですね。DIGITLIOはPHPもしくはRubyが多いですね。

すずけん:なるほど。PeXがRails(Ruby on Rails)?

をいで:ですね。PeXはRailsです。あと今立ち上げようとしているリテール領域でもRails使ってますね。

すずけん:ちょうどこの間、リテール領域に関して相談を受けていて、最終的にRailsでいきますって話を聞きましたね。なるほどなるほど、ありがとうございます。だいぶ事業やチームの状況、をいでさんの経歴について聞けました。をいでさんの他にDIGITALIOにはどんなエンジニアがいるんですか?

をいで:長くやっている事業が多いので、同じく長く貢献してくれているベテランが多い部署かなと思いますね。でも、毎年新卒も入ってくるので若手も多いです。ベテランはサービスのこともよく知っているし、技術力も高いので、大きな方針としてこっちに向かうといいんじゃないかとかそういう話を中心になってやっていたりしますけど、でも若手もベテランから指示がおりてきて、その通り作業しますって状況ではないですね。私も転職組なんですが、一般的な会社で想像されるような上下関係ではなくて、ベテランでも若手でも同じチームメンバーとして、同僚として仕事をする感じですね。これはDIGITALIOだけじゃなくCARTA全体としていえることかもしれないですけど。若手だけで構成されているチームもあったりしますし。さらに今後は、先ほど話したように、技術の話だったり相談だったりをチームを横断してもっとわいわいできるようにしていきたいなと思ってますね。

すずけん:ひとつの大きなサービスのチームにみんながいるというわけじゃないので、たしかにですね。

をいで:あとDIGITALIOの魅力というか面白いなと思っていることなんですけど、事業の立ち上げのフェーズ、伸ばしているフェーズ、安定しているフェーズ、もしかしたら撤退するフェーズみたいなものがあるとして、一人のエンジニアがひとつのサービスで全部経験しようとすると相当時間がかかると思うんです。でもDIGITALIOにはそれぞれのフェーズのサービスがあるので、入ってすぐに経験しようと思ったらどれでも経験できる土壌がある。技術的にも立ち上げフェーズと伸ばしているフェーズ、安定しているフェーズって、力点を置くところというか、気にするべきことが変わってくるところがあるじゃないですか。

すずけん:うんうん。

をいで:そういった状況が周りを見渡せばすぐに見えるというのは技術的にも面白いところなんじゃないかなと思いますね。

すずけん:タイムトラベルできるってことですよね。

をいで:そうです。そして各フェーズに向き合っていろんな経験をしてきた人たちが周りにいるので、そういう知見も自分に取り込んでいったら、人の経験が自分のものになる、そんな現場だなって思いますね。

すずけん:たしかにですねー。DIGITALIOには他にもいろんなチームがあるので、他のメンバーからも話を深掘りして聞いてみたら面白そうですね。

をいで:そうですね。DIGITALIOには本当にいろいろなサービスとチームがあって、それぞれがプロダクトに向きあってどう良くしていくかに取り組んでいるので、それぞれにフォーカスして話を聞いてみても面白いと思います。

すずけん:そうですねー、ありがとうございます。といったところで、時間がきてしまいました。面白かったです!

をいで:こちらこそ、ありがとうございました。

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