チャンネルの紹介
このシリーズは、よく何をやっているかわからない会社と言われるCARTA HOLDINGS(以下、CARTA)の技術や組織の中の雰囲気を、ゲストを交えてカジュアルに対談する企画。
第1回は CARTA CTO の鈴木健太(@suzu_v)と合同会社 Have Fun Tech 代表 曽根壮大(@soudai1025)の対談です。
動画や音声で聞きたい方はコチラに掲載してます
自己紹介・経歴
鈴木健太(以下、すずけん)
株式会社CARTA HOLDINGS 執行役員CTO / 株式会社fluct取締役CTO。
4月からCARTA Generative AI LabのLab長も担当。「みんなのGo言語」「データ分析基盤入門」共著者。
曽根壮大(以下、そーだい)
合同会社 Have Fun Tech 代表社員。株式会社 Linkage のCTO。CARTA HOLDINGSとはVOYAGE GROUP(CARTAの前身)の時代からの6、7年の関わり。Zucks事業部への技術顧問やデータベース設計のサポート、広報活動への協力。他社との業務委託も並行しており技術部での多岐にわたる経験がある。
CARTA のエンジニアリング文化
CARTA Tech Vision とは
すずけん: CARTAの組織とか文化 エンジニア組織について話すときに何を話そうか迷いましたが、僕らが作っているTech Visionからご紹介するのがいいかなと思ったので僕の方からTech Visionの紹介をします。
CARTAのエンジニア組織は、20以上の事業、約170人のエンジニアが所属し、日々開発を進めています。
それぞれのチームが独自のカラーを持ちつつ、CARTA全体としてのエンジニアリングの特徴や価値観をTech Visionで言語化しています。
Tech Visionでは、未来像として「人にもっと、創造的な仕事を」と掲げています。

ソフトウェアを創る仕事なので、「みんなに創造的な仕事をやってもらえるように、自分たちも一緒に働いている人もそうなってほしい」という願いを込めて書いています。
その価値観は、「本質思考」「共に信頼し、共に創る」「価値を届け続ける」の3つです。
Tech Visionでは、僕らが開発する中で大事にしている「創る中で何を大切にしているか」を端的に表しています。
社内ではよく「本質的に考えている?」が日常的に出てくる言葉になっているかなと思います。
経営統合しても大切にしているものは変わらない。だから言葉に
そーだい: 他社を見ても技術的な全社ビジョンが設定されている会社って珍しいな、と思います。 全社のビジョンと技術的なビジョンは具体的なスコープが異なるので言葉にしておかないとぶれちゃうってことがあると思っていて、そういう意味ではちゃんと言葉にするっていうのは、めちゃくちゃ大事で。
文化や習慣はいきなり変わるわけじゃないし、それが大事なことは変わってないんだよみたいなところがちゃんと明文化されたってこともいいとこかな、と思ってるんですけど 、何か意識されたんですか?
CARTA Tech Vision を創る上で意識したこと
すずけん: そうですね。CARTA HOLDINGSって、CCIとVOYAGE GROUPが経営統合してできた会社なので、それぞれの文化が混じり合っているフェーズなんですよね。

とはいえ、そーだいさんがおっしゃってくれた通り、やっぱりものを作っている人たちっていきなり何かキャラクターが変わるわけではないです。
いきなり何かすごく大きい変化があるわけじゃなくて、 ずっと大事にしているものを言葉にしようと思いました。
その本質、 あるいはなんでそれをやっているのかということをちゃんと理解して作るって いうことはやっぱり僕らの中ですごく中心的な価値観の一つだと思っています。
なので、ワードとしてやっぱり本質っていうのが一周回ってしっくりきたっていうのはあります 。
創造的な仕事を推進するビジョンに共感する人と一緒に仕事をしたいという思いもあって、最初から公開することを意識して作成しました。
全社だけでなく事業部にもVISIONがある
そーだい: CARTA HOLDINGSの中には、fluctやZucksなど、異なる文化を持つチームがありますが、それぞれの文化が明確にされていることはすごくいいと感じています。
すずけん: fluctには、開発チームだけでなく、組織全体としての5つのバリューがあります。
これは"fluctism"と呼んでいて、各バリューの頭文字がfluctを形成しています。これを取り入れることで、組織としての価値観を大事にしています。
Zucksには"The Zen of Zucks"があり、マルチプロダクトの事業会社でありながら、その価値観はZucks全体に浸透しています。
そーだい: "The Zen of Zucks"は、GitHubにパブリック公開しています。
the-zen-of-zucks/the-zen-of-zucks.md at main · zucks/the-zen-of-zucks · GitHub
このドキュメントには、私たちが大切にしていることや、逆にやらないことなどが書かれています。レビューやフィードバックの際にも参照します。
すずけん: そうですね。 この価値観は元々言葉にされていたわけではなく、実際に行動として存在していたものに名前を付けているのです。
それを形にするのは難しいですが、私は"The Zen of Zucks"を見て、まさしくZucksらしいと感じました。
そーだい: 風土の上に文化ができて、人々がそれぞれ営んでいるわけですが、 あえて言語化しようとした結果が"The Zen of Zucks"です。
この考え方や価値観を共有する過程自体が、チームの意見のすり合わせとなっています。
Zucksは公開されているパブリックリポジトリで開放的なやり取りを行っています。pull requestを通じて意見交換を行いながら、文化や価値観を形成しています。これは今後も変わり続けるでしょう。 風土は、会社の状況であったり、メンバーが変われば、変わります。
すずけん: まさに、変わり続けるものですね。Tech Visionも、そしてCARTAのミッションや価値観も、組織が変われば変化していきます。
特に、メンバーが変われば、行動や習慣が変わることが多いと思います。
その中で、固定されたものを守るよりも、新しいメンバーがどう感じるかを重視し、議論を生み出すことが大切だと考えています。
“CARTAっぽさ”を生んでいるもの
オープンで密なコミュニケーション
そーだい: CARTA HOLDINGS全体では、エンジニアだけでなく、他の部署の人たちも、議論を恐れずに積極的にコミュニケーションをとっています。

例えば、社内にはバーのような場所(AJITO)があり、ビールを飲みながらリラックスしてコミュニケーションをとることができます。また、勉強会も充実しています。
Slack上では、今どんな業務を担当しているか、また困っていることなど、ちょっとした雑談を個人で作成した分報チャンネル(通称timesやアンスコチャンネル)で、プライベートな話から仕事の内容まで、さまざまなコミュニケーションが行われています。
様々なコミュニケーションをさせる設計という仕組みがあるなぁと思っているんですけど、すずけんさん的に工夫や狙ってやっていることはありますか?
すずけん: んー、自然発生的だなと思っています。
人と関わることが好きな人たちを集めたいという意識は強く持っています。
そのため、楽しみながら一緒に仕事をする人たちを増やすことを常に考えています。
そして、それが結果としてSlackの分報チャンネルに連続的な書き込みがある状態を生んでいるように思います。
そーだい:
社内でのSlackコミュニケーションが充実してますね。
Slackを使ってのコミュニケーションの曖昧さが、逆にオーナーシップを高め、テキストコミュニケーションの技術を楽しむことで、テキストコミュニケーションがうまくなるみたいなのはあるかなと思いますね。
好きなもので人と繋がっていく
すずけん: やっぱり楽しんでコミュニケーションをしているというか、まあエンジニアの仕事の中でもそうですけど、好きでやってて得意になっていくっていうものをやっぱり多かれ少なかれあると思います。
夕方になるとみんな趣味の話をしたり、好きなものを話せるってすごい大事だと思っていて、みんな話してくれるからそこでまたさらに繋がりが生まれたりとかするのは僕は見ててすごいいいなって思ってますね
そーだい: 確かに。それで言うと趣味で繋がってるから仕事が切れてもそこで終わらない印象があって 僕もボルダリングのチャンネルやってますけど、1回やめて社員ではなくなったんだけど ボルダリングを通じてまた繋がってるとか。エンジニアリングであったりとか趣味の部分でつながってるからこそやめてった人とも 仲いいなって印象ありますね。
すずけん: 確かに、退職した人でも、再度社内に訪れたくなることが多いようです。そんな人たちとの再会を楽しんでいて、彼らが新しい人たちを紹介してくれることもあります。それは本当に嬉しいことだと感じています。
そーだい:
確かに、コミュニケーションの対象や幅が広がっていると感じます。僕も前職のはてなやVOYAGE(現: CARTA)で手伝い始めた時、多くの知り合いができました。
仲の良い人たちとの新しい繋がりがどんどん増え、どんな技術領域にも詳しい人がいて相談できるのは素晴らしいです。そうすると大体の技術領域に誰かが詳しいから相談相手はどっかにいるみたいなことがあります。
すずけん: 技術的な繋がりよりも先に、人との繋がりが先に来ると。
そーだい: そうなんですよね。趣味やプライベートでの繋がりがあるからこそ。例えば僕とかデータベース好きだからデータベースばかりやってしまって別の領域はあまり知らない。だけど、趣味で繋がった友人の中にはスマホアプリエンジニアの人や別の業界の人もいて、その人から近況を聞くことで「最近はそうなんだ」と知れる。
すずけん:
確かに勝手に繋がっていくんですよね。
Slackのナレッジセンターやテーマ別のチャンネルでの雑談があり、それが読書会につながることも。事業やチームを超えて同じ興味を持つ人たちが楽しく会話するのを見るのは本当に嬉しいです。
技術選定も現場判断
そーだい: CARTAはいろんな事業を展開していて、事業ごとやプロダクト毎に技術も異なっていたり、多様性も特徴の一つですよね。

本当に多様性って大事だなぁと思っていて、その多様性を社内でうまく育んでる感がありますね 。 多様性については、事業をエンジニアリングする技術者たちの本にも書いてありますが、あの本には書ききれないぐらい、いろんな多様性があると思います。
https://www.lambdanote.com/products/carta-ebook
すずけん: 技術選定も各チームも適したものを自分たちでロジカルに選んでくださいとしているので、統一してないんですよね。

そーだい: 僕の知ってるZucksにはPHPやSymfonyなどもありますが、他のチームではRailsやGoなど様々です。 エンジニアリングとして何か、一旗上げたいみたいな時にどれか一つでも、一本槍があればCARTAのどこかでは貢献できるところがあるなと思いますね。
すずけん: 基本的には、どんな言語でも学べばできるという前提で進めています。その上で、新しい技術を学びたい人でも安心して入ることができると思います。
それでは、今回はここまで。次回もそーだいさんとお話しする予定なので、よろしくお願いします。
そーだい: ありがとうございました。次回もお楽しみに!
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