チャンネル紹介
このシリーズは、よく何をやっているかわからない会社と言われるCARTA HOLDINGS(以下、CARTA)の技術や組織の中の雰囲気を、ゲストを交えてカジュアルに対談する企画。
第2回も引き続き CARTA CTO の鈴木健太(@suzu_v)と合同会社 Have Fun Tech 代表 曽根壮大(@soudai1025)の対談です。
第1回はCARTAの事業や組織の内容でしたが、今回はエンジニア組織の学びにフォーカスした内容となっています。
動画や音声で聞きたい方はコチラに掲載してます
CARTAエンジニアの価値観と制度についてはこちらもご覧ください
自己紹介・経歴
鈴木健太(以下、すずけん)
株式会社CARTA HOLDINGS 執行役員CTO / 株式会社fluct取締役CTO。
4月からCARTA Generative AI LabのLab長も担当。「みんなのGo言語」「データ分析基盤入門」共著者。
曽根壮大(以下、そーだい)
合同会社 Have Fun Tech 代表社員。株式会社 Linkage のCTO。CARTA HOLDINGSとはVOYAGE GROUP(CARTAの前身)の時代からの6、7年の関わり。Zucks事業部への技術顧問やデータベース設計のサポート、広報活動への協力。他社との業務委託も並行しており技術部での多岐にわたる経験がある。
CARTA HOLDINGSの多様な事業
すずけん: CARTAには20以上の事業があり、BtoBやBtoCのサービスなど、様々な業種のジャンルが存在します。プロダクトの狙いや技術スタックも各事業に紐づいて異なり、多様な事業があるのはCARTAの特徴だと思います。
そーだい: 確かに、CARTAは多様な事業を持っており、中には、新規の事業や長期で継続している事業もあります。
そーだい:
常に様々なフェーズの事業を同時に抱えているため、新規事業の立ち上げのフェーズや運用に乗った後のフェーズのどちらも経験でき、学べるのは魅力的です。CARTAには、自分のやりたいフェーズが必ずどこかにあるという点も大きな強みだと感じます。
多様な事業を抱えるCARTAゆえの学び環境について
すずけん: そうなんですよね。
僕自身、CARTAの中でずっとfluctという事業を手がけていました。 fluctは10年以上の事業で、僕のように一つのサービスに関わっている人もいれば、新規のサービスの立ち上げに専念している人もいます。
この違いを自分で体験しながら、他の人から立ち上げの課題などの情報を得ること、これは学びとして非常に面白いと感じています。
そーだい: そうですね。並列でいろんなフェーズがあるというのもCARTAの強みですね。
具体的に言うと、私は今年、MySQLのVersion Upを何度も行っています。
CARTAのZucksのような複数のプロダクトを持つ大きな事業では、複数のチームでそれぞれMySQLを使っており、それぞれVersion Upの対応が必要でした。普通、一つの事業だと一度やれば終わりですが、Zucksではチーム毎にMySQLのVersion Upの作業が必要でした。
何度も繰り返しできる環境があるのは、CARTAの大きな強みですね。
似た状況に何度もチャレンジできることは、新しい方法や改善点や意見をシェアしながら、より良い方法を見つけられるんですよね。国内でも有数のMySQL Version Upの知見のあるチームなんじゃないかと思うぐらい、いろんな事業があるとやっぱり学べるところが多いと思いますね(笑)
すずけん:
通常は一度のチャンスしかないタスクであっても、CARTAでは、異なる状況や技術スタックで何度も試せます。2回目以降は、勝手がわかってくるので高いレベルにブラッシュアップされます。
CARTAエンジニアの評価制度:技術力評価会
すずけん: CARTAには、他の事業の情報や技術を知ることができる「技術力評価会」という制度があります。
すずけん: 技術力評価会では、他の事業のエンジニアが半期ごとに自身の仕事について仕事の妥当性を話し、多角的な視点からフィードバックが得られる制度です。
TECH VISIONの価値観の中にあるものは評価会を通じ、組織を横断して伝播していっていると思います。
第1回、本質志向の話をしましたが、なぜそれをやったかについてすごく求められます。
それは必ずしも理論的に、楽しいことを証明してくれって話ではないです。その人なりにその問題について、どのように調べ、どのように解釈をし、どんな仮説を立てたのか、ということを話してほしいんです。そこが重視される機会になっているし、習慣にもなっています。
単に技術的な面だけでなく、「なぜそれをやったのか」という背景や思考プロセスも評価されます。それが、組織の文化として根付いていると感じています。
そーだい: そうですね。多くの場面で、成果だけで評価されがちですが、ここではプロセス全体をチェックして評価してもらえるのは大きな魅力ですね。
すずけん: 評価会は、プレゼンテーション形式で行われ、発表者(CARTAでは被評価者と呼ぶ)より上位、または同位グレードのメンバーが評価し、評価レポートを作成します。
このレポートはGitHubで社内で公開され、それを読むことで誰がどんな発表をし、どんなレポートを書かれているか、学びの追体験できます。後からでも課題に対して学びや気づきを得ることができる仕組みとなっています。
私が入社した10年以上前から続けられており、それによって各事業のエンジニアが他の事業の進捗や課題、成果物の品質などを定期的に把握し、知識の広がりや人とのつながりを構築することもできます。
そーだい: 評価やフィードバックが全てオープンなのは、CARTAの特徴ですね。
多くの企業では、ネガティブなフィードバックを隠すことが一般的ですが、CARTAは社内に公開しています。
フィードバックでは、「鈴木さんはここら辺がダメだったよね」とか「ここら辺頑張ったけど、こうした方がいいよね」みたいなネガティブなフィードバックは一定数ありますが、そういう時に隠してしまうと追体験ができなくなってしまいます。
「俺も若い時は散々指摘されたよ」みたいなことがあったりとかして、「いやいやいや〇〇さんそんなことないでしょ」みたいな感じで言われた時に、このフィードバックを見てみなって。
すずけん: 確かに、先輩の過去のフィードバックを見ることで、今の姿勢や行動に繋がる背景が分かりますね。
そーだい: 10年以上この文化を続けているので、今の上司やチームリーダーの過去の評価なども見ることができます。どのような行動やアクションが評価され、良くなる方向へ導かれているのかが見えるのは非常に有益です。
また、リーダーシップやフォロワーシップなどの様々なスキルも学べます。
実際、私たちは普段の仕事の中でも、Pull RequestやIssue作成、Design Docsなどで評価のようなことをしています。そう考えると、普段の細かいタスクを積み重ねることで、自然に評価会にも対応できるようになるんですよね。それが良い設計だと感じます。
技術力評価会 評価される人の学び
すずけん: 入社当初、自分も評価される側でした。
評価会では、シニアのメンバーからの質問やフィードバックによって、考える力や視点が養われました。特に、チーム外からの客観的な意見や質問は、非常に有益でした。そうした経験を通じて、システムやプロダクトの客観的な視点を持つことの大切さを学びました。
外部の専門家をお呼びして専門の領域を見ていただくこともあります。
その領域に関する専門的な意見をもらえるのは、非常に有益ですし、仕組みとして、とてもいい点だと思っています。
本当に豪華なメンバーからのフィードバックは、私たちエンジニアにとって大きな学びの機会です。
そーだい: 本当に豪華だと思います。
本当にすごい人がフィードバックしてくれますよね。
フィードバックはエンジニアにとって財産だし、学びの塊なので本当に贅沢だと思っています。
すずけん:
実際にそーだいさんも評価者として参加してもらったこともありますね。データベースの話題になると、社内からの要望でそーだいさんに見てもらいたいという声も多いです。
技術力評価会 評価する人にも学びがある
そーだい: 評価者としても、様々な学びがあります。
フィードバックを言語化するスキルは、日常の業務での説明やコミュニケーションにも直結します。評価すること自体が、大きな学びとなると感じています。
すずけん: 評価レポートを書くことは、初めはプレッシャーがあって、初めての評価者から「どんな内容で書けばいいの?」ってよく聞かれますよね。評価者も被評価者も対象にガイダンスを毎回行っています。
特に初めてのメンバーには、評価する際の観点や重視すべきポイントを伝えています。
簡単に言うと、マイナス面を探すのではなく、もし自分がそのプロダクトチームに入ったら、どう改善するかを考え、その指摘で相手が自覚し、より良くしていく方向に導いて欲しいんです。
だから、悪いところを探すんじゃなく、良い点を見つけて伸ばすコミュニケーションを心掛けてほしい。それを念頭に置いて、評価会の際やレポートの内容を書いてほしいと伝えています。
でも、上記をふまえたレポートを書くのは確かに大変ですよね。ただ、経験を積んでいくと、どのような観点で評価すればよいのかが自然とわかるようになってくると思います。
贅沢な技術顧問
そーだい: 僕はデータベースのスペシャリスト枠でいますけど、テーブル設計の時には、だいたいt-wadaさんに相談されてしまって、DBの質問がDBスペシャリストの僕に来ない問題があるんですけど(苦笑)
すずけん: (笑)
そーだい: CARTAのすごいところは、t-wadaさんが、社内の顧問でいらっしゃるのは本当にすごい。t-wadaさんがいるから同じエンジニアが私とt-wadaさんに相談してもt-wadaさんが言うんだったら、そうですねってなっちゃうから(笑)
すずけん: そんなことないですよ(笑)
そーだい: 本当に贅沢ですよ(笑)
すずけん: みんな気軽にt-wadaさんに相談するようになって、今年の新卒エンジニア研修でも講義をしてもらったんです。
業務のリアルな課題を持ち寄って気軽に質問できるのは、学習の効率や効果が高いですね。だから、みんなにはどんどん質問してほしいと思っています。
そーだい: 天然物の問題を解くのが一番勉強になるんですよ。その問題を解く過程で、いい設計やテストのアプローチなどを、フォローしてもらいながら進められることは、本当に学びが深いですね。教科書の中の養殖物の問題よりも、天然物の問題を解くことが贅沢だと感じます。
すずけん:
t-wadaさんやそーだいさんは、この方法が正しいと教えるのではなく、各人がどのように答えを導き出すかを教えてくれる。t-wadaさんはコーチと呼んでいるんですが、答えだけでなく、どう答えを導き出すかを一緒に考えてくれるのは大きな学びです。
エンジニアが提案して生まれる社内勉強会
すずけん: CARTAでは学びたい技術を、業務で必要な物については業務中に学ぶことができる制度があります。社内勉強会や読書会はエンジニアからの提案によって、開催されています。
そーだい: そうですね。CARTAでは、社内勉強会が非常に活発ですね。読書会も頻繁に行われていて、t-wadaさんがモデレーターとして参加してくれる勉強会や読書会があるのもありがたい。彼がフィードバックしてくれることで、理解が深まります。そういう学び方が豊富にあると感じます。
すずけん: 読書会には、プロダクトの課題を抱える人たちも参加しており、t-wadaさんのようなコーチに聞けるのは大きい。例えば、「エクストリームプログラミング」という古典を一緒に読んでいて、t-wadaさんが参加により、様々な視点からフィードバックや気づきを得ることができるのは、非常に有益です。
そーだい: 歴史を知っているt-wadaさんの存在は、CARTAのような若いエンジニアが多い環境では非常に貴重ですね。
背景や歴史を知ることで、なぜ今の方法が取られているのか、どのような背景や経緯があるのかを理解することができます。
また、「エクストリームプログラミング」などの過去のプラクティスとの関連性などを知ることで、より深い理解と、現場での質の高い議論ができるようになります。
経験や実体験を通して学ぶことで、その追体験の速度が全然違いますし、質も内容も変わりますね。
すずけん: 実践を通した学びを重視していますね。
それがCARTAらしい学びのスタイルだと思います。
エンジニアの社内コミュニティ
そーだい: そういう意味では、学びだけでなく交流も大事にしていますね。密度の高いコミュニケーションの中での学びやアウトプットが文化として根付いているのかなと感じます。
すずけん: 技術の深掘りと事業の課題という2つの側面を絶えず行ったり来たりしながら、どのように構造的に理解し、明日、自分たちがどうすべきか議論してレベルアップしていくことが、コミュニティ内で自然に生まれています。それがとても良いことだと感じています。
そーだい: 社内にはバーのような場所(AJITO)があり、昼間はAJITOの前にコーヒーが飲めるガーデンスペースがあります。そこでの雑談がまるでカンファレンスのロビーのようで、普段の仕事や技術的な話を楽しくシェアできるのが日常となっています。それがCARTAの魅力の1つだと感じています。
すずけん: 気づくと、そこで別のプロダクトの人たちと30分くらい立ち話をしていることがよくあり、とても楽しいですね。
そーだい: それが、楽しいって思える人にとっては、CARTAは本当に最高の場所です。社内での楽しさが増すと外部へのアウトプットが少なくなるかもしれませんが、それもCARTAのカラーかなと思います。
すずけん: ありがとうございます。今回は「学び」をテーマに話を進めました。
そーだい: 20分が本当にあっという間でした。次回もまた呼んでもらえるよう、CARTAの魅力を広めるために努力していきたいと思います。
すずけん: ありがとうございます。皆さん、今日はお疲れ様でした。
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