こんにちは、CCIの阿部です!
CCIではGoogleやYahooなどの広告プラットフォームを運用していますが、予算の消化や配信実績の確認のために必要な進捗管理の手作業が、負担となっていました。
社内の広告運用担当者からも「本来の業務の時間確保のために、この作業を効率化したいが手が回らない」との声があり、リソースの制約も課題でした。
進捗管理の業務内容と課題
進捗管理を行うためには、本来以下の作業が必要になります。
- 各広告プラットフォームの管理画面へログイン
- 広告の配信実績をダウンロード
- 代理店や広告主毎に、複数のデータを統合し、Excelやスプレッドシートで集計・分析
これらの作業には大きな工数がかかるため、十分に対応できていないのが現状でした。 特に、手作業でのデータ集計は時間がかかるだけでなく、入力ミスやデータの抜け漏れが発生するリスクもあります。 また、リソースが限られているため、迅速な対応が難しい状況でした。 ただ、要望が多く、複数のチームが同じような課題を抱えているため、共通の仕組みを整えることで大きな効果が期待できそうでした。
そこで、lake.bi※で収集しているSnowflakeのデータを活用し、TROCCOによるデータ転送、スプレッドシートでの集計を組み合わせ、進捗管理を自動化する仕組みを導入しました。
※ lake.biとは、広告配信データの統合・分析を支援するCCIで自社開発しているデータプラットフォームです。複数の広告プラットフォームからのデータを一元管理し、迅速な分析や可視化を可能にします。 詳細はサービスサイトや下記の記事をご覧ください!
TROCCOのデータ転送の方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
自動化のフロー
私たちの進捗管理の自動化は、以下のフローで構築しています。
概要
①既存のデータ収集基盤の活用
②TROCCOを活用した進捗管理スプレッドシートの一覧転送(スプレッドシート⇒Snowflake)
③TROCCOを活用したスプレッドシートへのデータ転送(Snowflake⇒スプレッドシート)
④スプレッドシートの関数を使ったデータ集計
今回の仕組みにした理由
- アカウント数が多く、それぞれの転送設定を作るのは現実的ではなかった
- 出力するアカウントが増えた場合にも、転送設定を変更することなくスプレッドシートの編集で対応ができる
①既存のデータ収集基盤(lake.bi)の活用
- 各広告プラットフォームのAPIを利用し、日々の配信データを取得
- 取得したデータは、クラウドデータウェアハウスであるSnowflakeに格納
②TROCCOを活用した進捗管理スプレッドシートの一覧転送
- 進捗管理用のスプレッドシートの一覧を作成する
- 作成した一覧をTROCCOでSnowflakeに転送
③TROCCOを活用したスプレッドシートへのデータ転送
- Snowflakeに登録された一覧データを、TROCCOのループ機能を活用して複数のスプレッドシートへデータを転送
- TROCCOのワークフローでは、カスタム変数を使用し、ループ実行ができるので、SnowflakeのSELECT結果でループ処理を行い、各シートにデータを転送しています。
- 出力先(スプレッドシートのURL)、アカウントIDが登録されているテーブルに対してSELECTし、その結果でループさせることで、転送設定を複数作ることなく出力できます。②をスケジュール実行することで、管理したいアカウントIDを追加したい際は、進捗管理スプレッドシート一覧への記載だけで対応可能になります。
- 転送設定では、SELECTの結果をSQLのカスタム変数として利用できるので、上記のようにアカウントIDなどを設定できます。
出力先のスプレッドシートもカスタム変数が利用できます。
- 出力例
- また、スケジュール実行機能を活用して、毎日決められた時間に自動的に処理が行われるよう設定しています。
④スプレッドシートの関数を使ったデータ集計
- TROCCOで転送したデータを、他のシートからSUMIFS関数などを駆使して集計し、進捗を可視化
- 広告運用のパフォーマンスを日別、アカウント、キャンペーン、広告グループなど様々な単位で集計
- 以下の出力例はアカウント単位の日別で集計
従来の課題と改善による効果
従来の課題
- 各担当者が個別に広告プラットフォームの管理画面へログインし、手動で配信実績データをダウンロードする必要がありました。
- ダウンロードしたデータは、Excelやスプレッドシートを用いて日別、アカウント別、キャンペーン別といった様々な粒度で集計・分析する必要があり、多くの手間と時間がかかっていました。
改善による効果
今回の取り組みにより、進捗管理のプロセスは以下のように改善されました。
- 手動作業の撤廃: 日々のデータ更新がスケジュール通りに自動実行されるため、従来の手動による更新作業が不要になりました。
- データ取得・反映の自動化: 各プラットフォームのデータが自動で取得され、スプレッドシートに自動反映されるようになりました。
- データ精度の向上: 手作業が介在しなくなったことで、ヒューマンエラーが排除され、データの正確性が向上しました。
- 情報の一元化と共有の円滑化: これまでExcelとスプレッドシートが混在していましたが、スプレッドシートに統一することで進捗管理のための情報が一元化され、担当者間での情報共有が格段にスムーズになりました。
まとめ
広告配信の進捗管理は、正確性とスピードが求められる業務です。 TROCCOを活用し、自動化したことにより、日々の広告運用の進捗管理における工数削減とデータ品質の向上を同時に実現できました。