CTOが聞く Vol.1 「アドプラットフォームと屋外広告、新レポート基盤」

VOYAGE GROUPのエンジニアにCTOが「最近は何やってるの?」と聞いていく連載の第1弾です。今回はブランド広告主向けアドプラットフォーム「PORTO」などを開発しているせんちゃんに話を聞いてみました。

Google Meetでのインタビュー風景

目次

渋谷のデジタルサイネージにテスト用の広告を配信した

(CTO) 最近は何やってるの?

(せんちゃん) 1月から2月あたりはDOOH(Digital Out of Home:デジタル屋外広告)の対応やってました。

(CTO) ああ、PORTOのやつね。 voyagegroup.com

もう配信してるんだっけ?

(せんちゃん) テスト用の広告は配信しました。実際に渋谷の某所にあるデジタルサイネージに表示されたときは嬉しかったですね。

(CTO) DOOHでRTB(Real Time Bidding)するときって、ブラウザとかアプリに広告配信するときとの違いってあるの?

(せんちゃん) 広告配信を個人に行うか、大衆に行うか、が大きな違いですね。従来のデバイスにおけるRTBでは、それを利用している個人に対して最適な広告を配信していました。一方、DOOHだと同時に見ている人がたくさんいるので、異なった配信ロジックが必要となります。技術的には、1回のBid Request(入札リクエスト)に対してN人の扱いをするようになったのが大きな違いです。またDOOH特化のパラメータとしてトータル人数、世代などが渡って来るので、新しいターゲティングも可能となりますね。

(CTO) なるほど、今後が楽しみだね。

(せんちゃん) はい。DOOHにとどまらず、ConnectedTV(インターネットにつながったTV)など、スマホ・PC以外の広告媒体への配信が国外では盛り上がってきています。僕達も様々な媒体を通じて広告を届けられるようになっていきたいですね。

最初はRDBでもよかったけど、データレイクが必要になってきた

(CTO) その他にはどんなことをやってるの?

(せんちゃん) アドプラットフォームだと、速報系のレポートや月次で締めたレポートなど複数のレポートがあります。今は毎分集計したデータをAmazon Auroraに格納して、そこから1時間ごとの集計データを生成してそれをAmazon Auroraに格納してとやってるものがあります。最初はデータ量が少なくこれでも問題なかったのですが、最近は集計・クエリともに時間がかかるようになってきました。

また、レポートとして必要となるデータはビジネスの拡大とともに変化していきます。レポート軸の追加は大変な作業ですし、そもそも集計済みのデータに関しては異なる軸で集計し直す事はできません。

これらの経験を生かして、レポートのデータ構造がサービスの発展を阻害しないような仕組みにしていきたいと考えています。ログとレポートを疎結合にするために、データレイクのアプローチが取れるのではないかと技術調査を進めているところです。クラウドベンダーが提供するソリューションの進化はめざましく、インプット量は多くなりますが「こんなことも可能なのか」とワクワクさせられますね。

(CTO) 10年前は大規模データを分析するために高価なDWHアプライアンスを買ったんだけど、今はクラウドサービスからいろいろ提供されてるよねー。なんて良い時代だ。

データを多角的に見れるようにする

(CTO) あとは、最近やっていきたいと思ってることはある?

(せんちゃん) データをもっと扱いやすくしたいです。たとえばうちのチームはGoogle BigQueryを使っているのですが、これはもともとデータ分析チームが分析用に構築したものでした。

これが大変便利で、広告配信サービスプロダクトでも少しずつ利用するようになっていったんですね。その結果、分析基盤への修正影響範囲が広い状態になってしまいました。ここは改めて、用途に合わせて切り分けていく必要があると感じています。

生ログはS3にためておき、レポート集計用途にRedshiftを据える、アドホックな調査にAWS glue + Athenaを用いる、速報系に Kinesis Data Analytics + QuickSightを用いる、など。同じ「データを見る」という行動でも、コンテキストに合わせて多角的に切り込むことができる基盤を作っていきたいですね。

まとめ

(CTO) スマホ・PC以外への広告配信や、圧縮しても数テラバイトになるデータが毎日増えていくデータ基盤の整備など、いい話が聞けました。

さて、次回は誰に聞こうかなー

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