CARTA TECH BLOG アドベントカレンダー 12/17 分の投稿です。
この記事で伝えたいこと
普段文章を書くときに利用している「パラグラフ・ライティング」についてやり方を書いてみます。 ある本を竜骨にパラグラフについて解説しています。この記事によって書く技術が少しでも上達すると幸いです。
この記事の社内レビューでの感想
社内のレビューでこんな感想をいただきました。
読み終わった後に、ああ、この記事が実は「この記事で伝えてる方法」になってるやんって気づいた。太字だけ読んでも言いたいことがわかったから 「なるほどー」となったし、自分が過去に書いた文章をそういうふうに読み直してチェックしてみるというのは良いなって思った。
誰でも今日から使えるテクニックなので是非読んでみてください。
TL;DR
- パラグラフとは1つのトピック(話題)を説明した文の集まり
- パラグラフは原則として1つの要約分と複数の補足情報の文で構成する
- パラグラフを使うことで
- 「段落の要旨だけを読み取れる」
- 「読むべき段落がわかりやすくなる」
- 「書き手もトピックのズレに気付ける」
- パラグラフ・ライティングを知ることで「文章の読み方」さえも変わる
対象読者
- 書く技術を学んだことがない人
- 「論理的な文章の書き方」に関心がある人
- 自分のためでなく人に伝えるための文章を書く必要がある人
- パラグラフという単語を知らない人
執筆者
自己紹介
ShuzoN(twitter: ShuzoN__)です。 コーポレートエンジニアとして情シス部署の情報伝達設計に関わっています。元々文章を書くことが好きで社内でもよく社内ブログを書いています。
この記事を書いた動機
私自身も書く技術について学んだことがなく、発見が多かったからです。 論文やテックブログなどで推敲し校閲は受けたことがあります。しかし、「論理的な文章の書き方」に型があることを知らず、自己流で書いていました。今回は学んだことの初歩を共有します。
参考にする本
[論理が伝わる 世界標準の「書く技術」] (https://www.amazon.co.jp/dp/4062577933) を参考にパラグラフ・ライティングに入門します。
この記事に登場する図はこの本の引用です。
パラグラフ・ライティングに入門する
パラグラフ・ライティングとは
パラグラフ・ライティングとは、1つの話題について書かれたパラグラフを組み合わせて、論理を展開していく文章技法です。 つまり「複数のパラグラフ」が1つの文章を構成するような書き方を指します。
今回は「パラグラフ・ライティング」のうち、「パラグラフ」のみを扱います。 文章を書く上でトピックごとに段落を分けて文章を構成します。パラグラフ・ライティングでは段落の書き方に型があります。今回の記事はそこについて詳細に触れます。
パラグラフとは
パラグラフとは1つのトピック(話題)を説明した文の集まりのことを指し、 日本語では段落に非常に近い概念です。
パラグラフは、原則として、1つの要約文と、複数の補足情報の文で構成します。 要約文とはそのパラグラフのトピックを表明した文です。補足情報の文はその要約文をより詳しく説明する文です。
段落の概念はパラグラフとよく似ています。段落は「文章において見やすくまとめられた文の塊(ブロック)。通常は複数の文によって構成される、とwikipediaに書かれています。
段落とパラグラフの違いは「文頭に要約文がある」かどうかです。 これに対し、パラグラフは段落の先頭に要約文を伴います。つまり「文頭に要約文がある」かどうか、が違いです。
パラグラフを使う利点
- 読み手目線
- 読み手が「その文章を読むべきか」を判断できる
- 段落レベルで読み飛ばしてよいか判断できる
- 「読み手が読む時間」を短縮することが出来る
- 書き手目線
- パラグラフの中でトピックがズレると気付ける
- パラグラフの構造が校閲機能を与えてくれる
- 読み手に伝わりやすい文章を書くことが出来る
読み手目線
読み手はその文章を読むべきか、読むとすればどの程度の優先度なのかを判断できます。 本では章節項を提供し目次を用意することで読み手へ要旨の提供を行います。段落レベルで要旨提供を行うのがパラグラフの利点です。
読み手は段落レベルで読み飛ばしてよいか判断できます。 パラグラフを利用することで「段落の先頭を読むだけでその段落の内容がわかる」ようになります。このため、読み手がその段落を読む必要がないことさえも伝わります。読み手に読むべきか判断材料を与えることが出来ます。
「読み手が読む時間」を短縮することが出来ます。 パラグラフを利用することで読み手に読むべきか判断材料を与えられます。このため、そもそも読む文量が減る上に、取りたい情報だけを読むことが出来るようになります。結果として「読み手が読む時間」を短縮します。
書き手目線
パラグラフの中でトピックがズレると気付けます。 実際にパラグラフを利用してみると「パラグラフの中でトピックのズレ」を感じられるようになります。要約文と内容が合わない場合はトピックが異なると気付けるため、文章のねじれや複雑さに気付けるようになります。
パラグラフの構造が校閲機能を与えてくれます。 要約文と補足が合わない場合はトピックがズレています。このため、パラグラフが持つ構造自体が校閲をしてくれるような感覚を得られます。
読み手に伝わりやすい文章を書くことが出来ます。 パラグラフは先頭に段落の要約を書くため、非常に伝わりやすい文章構成になります。上記したようにトピックのズレに気づけるため意図が非常にはっきりと伝わりやすくなります。結果として読み手に伝わりやすい文章を書くことが出来ます。
以上、パラグラフ・ライティングに入門してみた
参考にした 『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』 にはこのような内容が多種かかれています。 文章を書く上でハッとする事が多く書かれた、とても面白い一冊です。
パラグラフ・ライティングを意識すると「文章の読み方」さえも変わってしまいます。 上記では触れませんでしたが「パラグラフの最後の文に強調したい内容を書く」そうです。つまり先頭の要約と文末を読むとその段落の意味が一瞬で取れてしまいます。パラグラフ・ライティングを知ると文の読み方さえも変わってしまうようです。
ちなみにこの記事もパラグラフ・ライティングを使って書いているため太字を読むだけでも要旨が取れます。 記事冒頭の感想にもありますが、そのような読み方を頭からもう一度してみてください! 参考になれば幸いです。