「3つの立場からエコシステムの変化を把握する」Tech x Marketing meetup #6 iOS x AD レポート

こんにちは。技術広報の丹野 (@tan2) です。

今回は先日行われた「Tech x Marketing meetup #6 iOS x AD」 #TechMar をレポートをしていきたいと思います。 冒頭からいきなり感想をいってしまうと「最新のiOS上での広告エコシステムの変化を3つの立場から把握できた」とても良いイベントでした。

Tech x Marketing meetup とは

日本においてDXが不可欠と言われているなか、多くの企業がデジタルマーケティング領域においてテクノロジーによる進化に取り組みんでいます。Tech x Marketing meetupは、それらを実際に支えている技術/エンジニアリングや組織、文化について共有しつつ、盛り上げていくためのイベントとして、電通デジタルセプテーニ・オリジナルCCI、そしてVOYAGE GROUPの4社が共同主催する形で立ち上がりました。

今回のテーマは「iOS x AD」

第六回を数える今回は「iOS x AD」と題して、iOS14のリリースを期に大きく移り変わる広告配信やプライバシーへの取り組み/仕組みの変化に関して、これまでの経緯や各社の対応、今後の展望などについてセッションやパネルディスカッションが行われました。 VOYAGE GROUPからは、fluct アリムラ、Zucks 南大津が出演し、それぞれ「iOS 14で起きる広告配信/計測の変化に備える」「SKAdNetworkの解説と対応」などについてお話してきました。

セッションとパネルディスカッション

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セッション1 「iOS 14で起きる広告配信/計測の変化に備える」

1つ目のセッションはメディア/アプリ事業者側に寄り添う立場であるVOYAGE GROUP/fluctのアリムラから。

2020年6月にWWDC 2020で発表されたiOS14からIDFA(広告識別子)の取得方式がオプトイン方式になるという発表がされました。2020年におけるiOS上での広告配信/計測のエコシステムはこのIDFAが広く使われており、関係者の中でも大きな話題となりました。

2020年9月には、iOS14でのIDFAのオプトイン方式化は2021年に延期されましたが、引き続き動向が注目されています。

このセッションでは冒頭に、そもそもIDFAとはどういったものか、広告配信/計測に実際にどのように使われ、どのような特徴があるのかなど、広告配信に詳しくない方でもわかりやすく解説されていました。

その上で、2021年以降どのようになっていくのか、IDFAに変わる手法、計測ベンダーの動向、2021年までにiOSアプリの開発者にするべきこと、などの説明がありました。iOSアプリの開発に直接的に関わる人も、そうでない人も、iOSやプライバシーにまつわる大きな変化として是非知っておきたい内容でしたね。

セッション2 「SKAdNetworkの解説と対応」

続いて、2つ目のセッションは主に広告主側に寄り添うVOYAGE GROUP/Zucks 南大津から。

IDFAを必要とせず広告配信の効果を計測する「SKAdNetwork」という仕組みについて詳しい解説がありました。

SKAdNetworkは、Appleが提供するiOSアプリ上でアプリの広告を配信するときのみに利用可能な仕組みで、プライバシーに配慮した計測が可能なものとのこと。元々iOS11.2から利用可能だった仕組みでしたが、iOS14になりバージョン2.0にアップデートされ計測可能な項目が増えたそうです。

このセッションでは、SKAdNetworkの詳しい解説、計測の流れや計測できる内容、広告配信事業者・広告掲載アプリ・広告主アプリの対応内容について説明されていました。現時点での各社の対応状況などの最新情報や今後の展望もあり、広告を扱うアプリ開発者なら必修では?とも思える内容でした。

特に最新情報や今後の展望については、まだ動向が定まっていない中では貴重な情報でしたね。

セッション3 「iOS14 GANMA!の対応」

3つ目のセッションは、マンガアプリのGANMA!を運営するセプテーニ・オリジナル 佐野さんから。

GANMA!はプレミアム会員からの課金収益に加えて、無料会員からの広告収益があるそうです。 セッションでは、GANMA!がコンシューマ向けサービスということもあり、WWDC Build trust through better privacyで発表されたプライバシーに関する4つの柱の説明から始まりました。

セッション1でも解説のあったIDFAの取得がオプトイン方式になることで、いかにしてUXを損なわずに、かつ必要性を理解してもらいつつユーザから許諾をいただくかか、アプリから見た「SKAdNetwork」、既存のADNetworkへの影響、MMP(Mobile Measurement Partner)いわゆる計測への影響、それらとAppleのガイドラインを踏まえたGANMA!としての動き、様々なケースを想定したA/Bテストのお話など、アプリ運営者ならでは観点やケーススタディはとても具体的で興味深いお話でした。

「iOS x AD」パネルディスカッション

モデレータとして電通デジタルのリチャード伊真岡さん、パネラーとしてVOYAGE GROUP/fluctからアリムラさん、セプテーニオリジナルから佐野さんが参加してざっくばらんに質問に答えていきました。その一部を実況ツイートを引用して雰囲気をお伝えしたいと思います。

他にも、イベント限定のここだけの話的なお話もあり、とても貴重な時間でした! f:id:tan2jpn:20201126003428p:plain

#TechMarツイートまとめ

ハッシュタグ #TechMar に寄せられたセッションや質疑応答の内容に合わせたツイートをこちらにまとめています。 togetter.com

スマートフォン上の広告エコシステムとその変化

昨今、私たちは仕事でもプライベートでも日々スマートフォンでアプリやブラウザを高頻度で利用するようになっています。 そのため人々に自社製品を知ってもらいたいと考える多くの企業(広告主)にとって、スマートフォン上の広告は重要チャネルとなってきています。 また広告収益がアプリやサービス提供者の大事な収益源の一つになっていることで、私たちは一部のアプリやサービスを無料で利用することができています。

このように広告のエコシステムには様々な関係者が関わっていますし、iOSを提供するAppleなどのプラットフォーマーの動向に対してどう向き合っていくのかも重要です。

今回はそのような広告エコシステムに関わる3つの立場(アプリ提供者側に寄り添うfluct社、主に広告主側に寄り添うZucks社、アプリ運営者として広告掲載&広告主のセプテーニ・オリジナル社)からのセッションとパネルディスカッションとなっており、立体的にこのエコシステムに起こりつつある最新の変化が把握できて、とても面白い回だったのではないでしょうか。

もっと盛り上げていくぞ!

Tech x Marketing meetupはこれまでも「アドテク」「Privacy Sandbox」「データサイエンス」「データエンジニアリング」「SRE」などテーマで定期的にイベントを行っています。まだ2020年に立ち上がったばかりですが、技術の力でマーケティングをより良くしていくべく、より一層盛り上げていきたいと考えています。また、マーケティング界隈のエンジニアが集まる場がまだまだ少ないと感じているので、もっとワイワイできる場を作っていきたいですね。

以下のconnpassやTwitterでイベントや技術/マーケティングに関する情報などを発信しているので、興味を持った方は是非フォローしていただけると嬉しいです。

techxmarketing.connpass.com

twitter.com

[PR] VOYAGE GROUPでは仲間を積極大募集中です

そしてそして、今回のイベントに出演したアリムラ/南大津がそれぞれ所属するfluct/Zucksでは、この変化の激しい市場や事業と向き合いエンジニアリングしながら、ワイワイ共に成長していける仲間を積極大募集中です。

fluct

Zucks

Ask the Engineers in VOYAGE

また、もうちょっと話を聞いてみたい。VOYAGE GROUPでの働き方・文化など、実際に応募する前に聞いてみたいことなどについて、ざっくばらんにお話し聞いてみたい方はカジュアルな面談も調整しています。すぐに選考を希望する方でなくとも問題ありませんし、情報交換からという方も歓迎なので、お気軽に応募いただけると嬉しいです。 - hrmos.co