app-ads.txtとは
App-ads.txtはモバイルアプリの広告枠の販売者を識別することができるツールです。つまり、ads.txt機能をMobile App向けに実現させているのがapp-ads.txtです。 app-ads.txtはads.txtの拡張版であり、モバイルアプリの広告まで広告枠の販売者の識別が可能になりました。
ads.txtはウェブ広告枠をアドフラウドから守るためであり、app-ads.txtはモバイルアプリの広告枠を不正利用ら守るためのツールです。
(ads.txtについてはこちらをご参照ください→https://tech-cci.io/archives/2032 )
app-ads.txtのプロセス
- SSPから広告入札のリクエストがある。
- リクエストを受け取ったらAdvertiserは媒体のapp-ads.txtファイルを確認するため、クローラを動かし、app storeからapp publisherのwebsiteを確認する。
- publisherのwebsiteでapp-ads.txtファイルを見つかったら、クローラはapp-ads.txtファイルをクロールし、SSP(承認されている販売者)の情報を取得する。
- Advertiserはクロールのデータを確認し、信頼できる販売者でいることが分かったら、広告を配信する。
ads.txtとapp-ads.txtの違い点
一番の違い点はads.txtはウェブ向け、app-ads.txtはアプリ向けでありますが、動作プロセスの面での違い点について説明します。
まず、ads.txtのプロセスから説明していきます!
Web site及びmobile web publisherは承認されたSSPの情報が含まれているads.txtファイルを作成し、web siteから使用できるようにします。そうすると、広告枠のBuyerでいるAdvertiserは定期的に媒体のWeb siteをクローリングし、広告枠を販売できるSellerのデータベースをアップデートします。
それで、広告枠のBuyer(Advertiser)は承認されていない枠、Sellerの入札リクエストを拒否することができます。
ads.txtの場合は上記のように動作しますが、アプリの場合は動作で違うところがあります。
Publisherはweb siteをapp store/Google playに提供する必要があります。
アプリの場合、Advertiserがweb siteに直接アクセスしてクローリングするのではなく、周期的にApp store/Google playをクロールしてapp-ads.txtファイルの有無や内容を確認します。(上記のapp-ads.txtの動作プロセスの図ご参照ください。)
そのため、app-ads.txtを設置する際には、Web siteにapp-ads.txtファイルを設置し、web siteをApp storeやAndoridの場合はGoogle playに提供することが大事です!
app-ads.txtの内容
google,pub-xxxxxxx,DIRECT,xxxxxxxx
① SSP/Exchange ドメイン (必須)
SSP、エクスチェンジ、ヘッダービディングなどの広告システムのドメイン名です。
② アカウントID (必須)
媒体を識別するためのIDです。アカウント事にユニークな値となります。
③ アカウントタイプ (必須)
アカウントタイプは「DIRECT」と「RESELLER」2種類があります。
媒体がアカウントを直接管理している場合は「DIRECT」、
第三者がアカウントを管理していて媒体が直接管理していない場合は「RESELLER」になります。
④ タグID (任意)
広告を識別するIDであり、タグIDは必須項目ではなく、任意項目です。
そのため、省略するケースがあります。
app-ads.txtの設定方法
1.https://apps.admob.comでAdmobアカウントにログインしてください。
2.サイドバーからアプリをクリックする。
3.すべてのアプリを表示ボタンをクリックする。
4.APP-ADS.TXTタブをクリックする。
5.APP-ADS.TXTの設定方法ボタンをクリックする。
6.app-ads.txtファイルをdeveloper websiteのルートドメインに設置してください。
例:sampledomain.com/app-ads.txt
※Admobではユーザが設置したapp-ads.txtファイルがクロールできるファイルかを確認します。確認するのに24時間くらいかかりますので、app-ads.txtの設置が正常にできるまでに少なくとも24時間かかります。
★ 設定時の注意事項
‐ app-ads.txtファイルにエラーや誤字があるとapp-ads.txtが無効になり、広告の掲載がブロックされる可能性があるため、正しい実装とエラーを治すことが重要です。
- 基本的なルールではありますが、ファイル名は必ず「app-ads.txt」にしてください。
‐ app-ads.txtファイルのContent-Typeは「text/plain」、charsetは「utf-8」に設定してください。(IAB Tech labから推奨されています。)
app-ads.txtをサブドメインに設定する場合のクロール処理はどうなる?
ads.txtもapp-ads.txtもルートドメインに設定することをIABからは推奨されていますが、場合によってルートドメインに設置が不可能な場合があります。
app-ads.txtをサブドメインに設置した場合のクロール処理はどのドメインに対してクロールできるかを説明します!
(下記の例はIAB Tech Labから公開しているapp-ads.txtの仕様書から引用しました。)
例1)「www.」、「m.」サブドメインの場合
・URL①:https://www.example.com/test
・URL②:https://m.example.com/test
・クロール対象になるURL:https://example.com/app-ads.txt (←URL①②両方とも)
例2)ユーザのサブドメインの場合
・URL:https://subdomain.example.com/test
・クロール対象になるURL: https://subdomain.example.com/app-ads.txt
★上記のクロール対象になるURLでapp-ads.txtファイルを見つからない場合、ルートドメインをクロールします。(https://example.com/app-ads.txt)
例3) 複数のサブドメインの場合
・URL:https://another.subdomain.example.com/test
・クロール対象になるURL:https://subdomain.example.com/app-ads.txt
★上記のクロール対象になるURLでapp-ads.txtファイルを見つからない場合、ルートドメインをクロールします。(https://example.com/app-ads.txt)
例4) サブドメインあり+public suffixの場合
・URL:https://another.subdomain.example.co.uk/test
・クロール対象になるURL:https://subdomain.example.co.uk/app-ads.txt
★上記のクロール対象になるURLでapp-ads.txtファイルを見つからない場合、ルートドメインをクロールします。(https://example.co.uk/app-ads.txt)
まとめ
アドフラウドは世界のあらゆる地域のアプリ市場に損害を与えていて、今後もますます深刻化する問題です。
モバイルアドフラウドとは、モバイル広告の技術を悪用し、広告主やパブリッシャー、サプライサイドパートナーに対して不正を働き、広告主のキャンペーン予算を不正に受け取る行為です。
こういったアドフラウドから広告を守るために、IABはads.txtとapp-ads.txt、ads.certも公開しています。
Googleからも2019年8月27日からapp-ads.txtの運用を開始すると発表していますので、アドフラウドからの損失を減らせるためにウェブではads.txtを、アプリではapp-ads.txtを導入していきましょう。