こんにちは!fluct でデータエンジニアをしている shu22203 です!
6/2〜 6/5 にサンフランシスコで開催された SNOWFLAKE SUMMIT 24 というカンファレンスに Snowflake DataSuperHero 2024 にも選出された pei0804 と2人で参加してきたので、初参加という立場から出来るだけ雰囲気や熱量が伝わるようにレポートをお送りします!来年以降に参加する人の参考にもなればなーと思います。
自分は CARTA HOLDINGS(旧VOYAGE GROUP) に2019年に新卒として入社したのですが、その頃から AWS re:Invent などの海外カンファレンスに行ってみたい!と社内でアピールしており、邪な気持ちで AWS SAA (Solution Architect Associate) を取ったりしてみたのですが、COVID-19 の世界的大流行により海外カンファレンスそのものがしばらく無くなってしまいました。
そんなこんなしているうちにデータエンジニアリング領域をメインで担当するようになり Snowflake のfluct への導入も進み、今年チャンスをもらえてようやく入社来の念願が叶った形になります!
本エントリは時系列通りに準備編、観光編、Summit 本番編でお届けしますが、Summitの内容についてすぐ知りたい場合は Summit 本番編 まで飛んでください!
準備編
来年(向こう3年)はサンフランシスコ開催のようなので、今回の経験で得た Tips をまとめておきます。
用意しておいて良かったもの
- 胃薬
- 基本的に現地はハイカロリーな食べ物ばかりだったり食が体に馴染まないがちなので胃腸が弱い人は必須レベルです。
- 体調が優れない中での summit 参加はつらいしもったいないですよね。
- 洗剤類
- 1週間近くの長期滞在となるので、全日分衣服を持っていくのは大変です。
- 自分はホテルでさっと洗っただけなのですが、コインランドリーもあります。
- ホテルのランドリーサービスは基本的に高いのでやめた方がいいです。
- GoPro などのカメラ類
- 海外ならではの迫力のある大自然などはやっぱりいいカメラで撮りたいですよね!!
- 脱ぎ着のしやすい防寒具
- サンフランシスコは日本よりも気温が低く日陰だと長袖でも寒いです。いつでもどこでも以上に薄着な人も散見されますが彼らは鍛え方が違うので日本人には基本的に無理だと思います。
- 特に風が吹くと冷えるので、風を通しにくいアウターが1枚あると重宝すると思います。体調管理は日本にいるとき以上に気を付けましょう。
- 開始日までのバッファ日
- 日本とは16時間も時差があるため、到着日に summit 初日を合わせると時差ボケでほぼ確実に死にます。
- 自分は現地の金曜日に到着するように(summit は月曜日から)数日のバッファを取りました。海外カンファレンス参加の醍醐味はカンファレンスそのものもさることながら観光にもあると思うので、バッファ日を有効活用して現地のタイムゾーンに身体を慣らしながら存分に観光も楽しんじゃいましょう!(会社のルール的に難しい方々もいらっしゃると思いますが、万全の状態で参加できるようにと交渉するといいと思います...!)
- Snowflake についての基礎知識
- Summit に行くくらいの気合の入った人なら問題ないと思いますが、当然のように既存の機能については知ってる前提で話は進んでいくので、興味のある分野はしっかり現状はキャッチアップしてから望みましょう(といいつつ私は Iceberg などは特にキャッチアップできていませんでしたが...)。
用意しなくても良かったもの
- 現金
- 自分は心配性なので1万円分をドル貨幣に変えていきました。しかし実際に使った現金はベッドメイキングのチップで10ドル程度でした。聞いてはいたけど本当にカード社会なんだなーというのを実感しました。
- 観光地の Fisherman's Wharf ではゲームセンターがいくつかあり25セント硬貨で遊べたりするので興味ある方はもう少し持っていっていいと思います。
用意しておけば良かったもの
- ちょっとした日本を感じられる食べ物(カップラーメン、味噌汁, お煎餅, etc…)
- 出汁を接種して暴食で疲れた胃を休めたかったです()
- あと、現地でご飯買うのも普通に高い割に味も...という感じなのでカップラーメンなどで済ませてしまってもよさそう(今回は夜もほとんど毎日予定があったので結果的には必要なかった)。
- 名刺
- 凡ミス過ぎるんですがなんと紙の名刺を忘れてしまったので Eight の QR コードでデジタル名刺を交換させていただききました。お手数おかけしてしまったみなさますみませんでした!
- 想像していたより名刺交換の場が多くこれも必須ですね。
- サングラス
- 日差しが強く目が日焼けするのでこれも必須でした!特に観光日などで外を長時間歩く日などは重宝すると思います。
観光編
前述の通り2日半ほどバッファを設けていたので、ここにまとめて観光を詰め込みました。
Fisherman's Wharf
いわゆる港町で、有名な観光地ですね。
レトロなゲームが揃っているゲームセンターなんかもあってなかなか面白かったです。
集まっているアシカの大群はなかなかインパクトのある画でした。
MLB 観戦
Oracle Park でメジャーリーグの ジャイアンツ vs ヤンキース 戦の観戦をしました!
大きい荷物はしっかり検査されるので手ぶらに近い荷物で行くのが吉です。
Japan Town
よく各地にありがちなチャイナタウンの日本版です。全然人いないのかなーと思いきや思ったよりも人で賑わっていてびっくりしました。
ダイソーや日本料理レストランに行ったりしたのですが、想像以上の円安と物価上昇を実感してしまいました。
謎の使命感でアメリカの高い割にあまり美味しいとは言えない日本食の味を確認してくるというものがあったのですが、やはり想像通り・・・という感じで良くも悪くも絶望しました。
Yosemite National Park
世界遺産にも登録されている国立公園で、なんと東京全体の1.4倍の大きさでその95%が人の手が加えられていない原生地域だそうです。
Mac OS ユーザーなら一度は目にしたことがあるであろうあの景色が目の前に広がっていて、写真では伝わりきらなすぎる感動を覚えました。
ここは予め少人数の日本語ツアーを予約して行ったので快適に回ることが出来ました。自分たちで運転していくとめちゃくちゃ大変らしいのでツアーおすすめです。
来年も summit に来れることになったら絶対に来たい!と思えるくらい最高の体験でした。
Summit本番編
さて十分すぎるくらいの観光をして本番です。
なお、本エントリは私の体験ベースや感じたことを書こうと思うので、リリース内容などの情報を包括的に知りたい方はリリースノートや他の方の記事、公式 YouTube などをぜひご覧ください。
今回の会場は Moscone Center という場所で、宿泊していたホテルからは徒歩15分くらいの場所でした。去年のラスベガスの会場は会場が複数あったり Keynote が別会場だったりで移動が大変だったという話を聞いたのですが、今年は1箇所でよくまとまっており移動も比較的スムーズだったような気がします。
KEYNOTE
Keynote 会場は日本人向けに APJ Reserved Seat という予約席があり、自動翻訳機も貸してもらえるため英語が苦手な自分でも快適に見ることが出来ました(初日は存在に気が付かず普通席にめっちゃ並んだ)。会場内は大画面の湾曲モニターがたくさん設置されており、どこに座ってもしっかり画面が見えるといった親切設計でした。音響なども迫力があり、臨場感や会場の熱量も感じることが出来て現地参加ならではだなって感じでした。
内容については AI DATA CLOUD という言葉が繰り返し登場していたのも印象的で、AI 関連アップデートが多くを占めていました。
特に Cortex Analyst, Cortex Search については、fluct 内でも事業がより多岐に渡ったり複雑化、またシステムの数もそれに伴って増えているため、社内ドキュメントが散らばり欲しい情報がなかなか手に入らないなどの課題感に対して打てる手段の一つになりうるなと思いました。
実際こちらはハンズオンに参加して streamlit でRAG ベースの chatbot を作ってみたのですが、想像以上に簡単に動くものが作れてしまい、可能性を感じたのとやはり実際に触ってみないと実際のところ良くわからないなというのを実感しました。
これらは何より SQL Function という形で LLM 機能が提供されているため、より AI が民主化され裏側の複雑さを意識せずに誰でもに使えるようになっているなと思いました。Sridhar 氏が PLATFORM KEYNOTE 中に言っていた テクノロジーはシンプルで効率的であるべきだ という哲学のもと、まさにそのように作られているなと感じました。
一方でこれらのソリューションを導入すれば全てが解決するというはずもありません。
実際に Keynote のデモ中で、プロンプト中の企業名を typo した際に欲しい回答が返ってこなかったということがありましたが、近い話で、食わせるドキュメント内で同じ意味を表すものが同じ言葉で書かれている必要があります。そのためにはユビキタス言語を揃えて定義し、日々の業務でもその言葉を使って会話をし、ドキュメントに残す。そしてドキュメントのデータ品質も、構造化されたデータの品質と同様に高く保つことが必要になってきます。
そう考えるといくらテクノロジーが進化しても日々の業務の中で大事にしなければならないことは大きくは変わらず、地に足をつけてしっかりやっていくぞという気持ちになりました。
これらのデータ品質を高い状態に保っていれば魅力的な機能が実装された際にそのポテンシャルを最大限に発揮しレバレッジが効かせやすくなります。が、逆にデータそのものの品質が低いままである場合、上に乗る機能はあまり期待した結果にならないことは火を見るよりよりも明らかであるため、今後データ品質がもたらす格差はどんどん広がっていくなと思い背筋が伸びました。
何かとバズワードとなりがちな AI 系のアップデートの裏にも、足元の重要な Observability 関連アップデートなどもありました。
実は去年、CARTAの pei が Benoit 氏へ質問した「Observability について投資する予定はあるか?」というものに対して(詳しくは去年の参加レポートを参照)、Snowflake Trail という具体的なアンサーが返ってきたのが非常に印象的でした。
日本のwarpupにBenoit氏がきてくれた。しかも、本人に質問できるとのことで、監視周りについて強化の予定があるか?と聞いたところ、課題感はあるらしいので、やってくぞとのこと。熱い回答を頂けた。活用してるからこそ監視を真面目にやりたいんよ。#SnowflakeSummit pic.twitter.com/ZHOEC7Fo89
— pei (@pei0804) 2023年6月29日
一年経過して、ちゃんと実現されましたね!顧客の課題にちゃんと向き合っていると言えそう
— Shota Asano@Snowflake japan (@ShotaAsanoSnow1) 2024年6月6日
Data Observability について fluct でも非常に重要視しているトピックであり、先日ちょうど Elementary Cloud も導入されたところでした(参考ブログ)。まだ Snowflake Trail については具体的にどのようなことが出来るのかまでは明かされていませんが、アップデートを注視していきたいなと思います。
関連する Topic だと Linage 機能なども明かされましたが、fluct では dbt でデータ加工していることもあり、dbt との連携も実は期待していたのですが今回では残念ながら発表されませんでした。ぜひお願いします!!
以下の図は現在の AI DATA CLOUD としての Snowflake のケイパビリティですが、既に one platform として大半のことが出来るようになってきてるじゃんという印象ですよね。それに加えて Snowparkも既に50%のユーザーが利用しているという発表もあり、ようやくレポーティング基盤、分析基盤が Snowflake に移行されたくらいの弊基盤からすると世界のスピード感が早過ぎて非常に焦らされました。
コミュニティとの交流
ぶっちゃけここが今回参加した意義がかなり大きかったなと思った部分でした。
例年の雰囲気や他の大きなカンファレンスの事情はあまり分からないのですが、今回は4日とも夜に reception party や飲み会などでコミュニティの多くの方々とお話できる機会がありました。
普段の勉強会などはどうしても似たような Web 系の業種以外の方達とはなかなか接点を持つ機会がないため、業種ならではの課題感や現在位置やこれからの未来についてお互い共有したりアツく議論できたのは本当に貴重で最高の体験だったと思います!現地でお話させていただいたみなさんありがとうございました、これからもなにとぞよろしくお願いします!
これだけ他業種かつ熱量の大きい方々とまとまってお話出来るのは summit ならではの価値だと思いました。
一方で慣れない海外の環境下で丸4日朝早くから summit へ参加し、夜も遅くまで話してるとどうしても体力的には消耗が激しすぎました。毎晩帰宅すると気絶するように就寝していましたが、あと1日あったら普通に倒れていたかもしれません!笑 Summit 効果ってすごい。
その他
お昼はお弁当が用意されており、会場近くの公園でちょっとしたピクニック気分を味わいながら食べることが出来ます。サンフランシスコは基本的に毎日快晴で気温も高くないため、とても快適に過ごせます。
少し歩くと一風堂なんかもあるため現地の食事に疲れてしまった場合はぜひどうぞ(日本人のお客さんも多かったです)。
遊べるブースもたくさんありました!
クイズゲームやパターゴルフ、ストラックアウトのようなものや AR ゲームをプレイしてヨーヨーやゴルフボールなどのユニークなノベルティがもらえます。
Session などで疲れてしまった際などはぜひこういったブースで一休みするのもいかがでしょうか!
反省、次に活かしたいこと
- X でもっと実況すればよかった
- 社内の Slack ではずっと実況していたんですが、こうやっていざブログを書こうと思った際に引用できる投稿が無いということに気が付いてしまいました。
- コミュニティの方も新しくたくさんフォローさせていただいたので、これからもっと発信していきたいと思います。
- Session の割合を下げてブースなどに凸りまくる
- フリーな時間は基本的にセッションを周っており空いた時間でちょこちょこブース巡りって感じだったんですが、せっかくプロダクト側の人と直接話せる機会だったのでもっと雑に勇気を出して凸ればよかったなと思いました。来年も行けることを願って英語力を上げて勇気の閾値を下げておきたい!
まとめ
初めての海外カンファレンスということもあって歩き方がまだ分かっていなかった部分も大きいですが、今の自分としては全力で input, connect が出来て最高に楽しめたと思います!
またプラットフォームとして圧倒的スピードで成長している Snowflake に負けないように僕らのプラットフォーム、ビジネスも進化させていかないといけないな、と改めて感じさせられました!
世界の進化スピードやコミュニティの熱量を感じて大きすぎる刺激を受けながら、ついでにちょっとした観光もできちゃう海外カンファレンスは最高なので、ちょっとまだ自分には早いかな・・と思って足踏みしている人もぜひ挑戦してみてください!
おまけ
日本へ帰る便は成田行きのエコノミークラスだったのですが、早めに空港に着いてチェックインしたところ、オーバーブッキングが発生したため別の便の羽田行きのビジネスクラスの席に変更になるという珍しいサプライズがありました!
ビジネスクラスは初めて乗ったのですが、エコノミーとは快適さが天と地の違いでかなり最高でした。全力投球で疲れ果てた身体をゆっくり休めながら帰国することが出来ました。
4日間お疲れ様でした!
— しゅう (@shu22203) 2024年6月7日
現地でも多くの方とお話できてとても楽しかったです!
なぜかオーバーブッキングでビジネスクラスに席が進化したので疲れた体を癒しながらゆったり帰りますw#DataCloudSummit #SnowflakeSummit pic.twitter.com/Iqx4vHSQCr