自作PCにおける大きな問題。排熱について考える。

自作PCにおける大きな問題。排熱について考える。

こんにちは。BTOPCをいじっていたらもう一台PCができてしまったya_yamaguchiです。

前回はこちらの記事で、自作PCを作る意味を考えてみたので、
今回は、PC作成時に関して切っても切り離せない排熱問題について記載します。

PCからの排熱で部屋が熱い・・・

初めてゲーミングPCを買った人は、PCからの排熱で部屋の温度が上がることにびっくりするかもしれません。

PCの大きな熱発生源は以下2点となります。

  • CPU
  • グラフィックボード

CPUは専用のクーラーがあることからもわかるように熱処理が必要となります。
またグラフィックボードもベンチマーク時など稼働率100%を持続するような高負荷時はかなり熱を発します。

なぜ熱を発するのか

PCが熱を発する理由。それは電力を消費しているため、消費電力が大きくなるのに比例して発熱量も大きくなります。
ということで、消費電力が大きいCPUとグラフィックボードが発熱量が大きくなります。

ではどうすれば冷えるでしょうか?

発熱量よりも大きい冷却機能を持ったPCにする。

PCが熱ければ冷やしてしまえ理論です。こちらは、自分で調べた限りですと以下の方法があります。

  • PCケースの交換
    小さくコンパクトなケースほど冷却性能は下がります。冷却性能が高いケースとしては、大きく部品同士の間が十分にある。空気の吸い込み口が多い。などにより大きく変わります。空気は冷たい空気ほど下にあり暖かい空気は上に行くため、下部に空気取り込み口があるケースの方が冷えます。

  • PCケースファンの増設
    PCケースファンは適当に追加してもあまり効果がありません。吸気と排気のバランスを考慮して配置しましょう。温かい空気は軽く、冷たい空気は重いという事を考慮して、吸気は前面と下部に、排気は後面と上部につける事で、PC内のエアフローが改善します。
    PCケースファンのサイズは主に120mm、140mmとなります。大きい方が送風能力も高く静かです。PCケースで取付可能な物を増設しましょう。

3ピン??4ピン??(クリックすると展開) 最近の新しいマザーボードだとケースファンは4ピンが主流ですが、3ピンのケースファンもあるみたいです。たまにあるのが簡易水冷CPUクーラーの ポンプのピンが3ピンだったり・・・。違いとしては4ピンはマザーボードの熱センサーによりファンの回転数を制御できますが、3ピンだと常に全力で 回転します。たまに3ピンのケースファンを入手しても4ピンの取付口に取り付けて問題ありません。


エアフローについて(クリックすると展開) 暖かい空気は軽く、冷たい空気は重いため、下部から冷たい空気を吸い込み、上部からPC内で暖められた空気を排気する事で、効率よい冷却ができます。
基本的には吸排気が1対1のバランス型の方が良いようですが以下のような特徴があるようです。

吸気が強い(正圧):内部の空気圧が高くなるため、ケースの隙間から排気を行います。埃に強いですが、冷却方向が限定されるため、冷却範囲が狭くなるようです。
排気が強い(負圧):外部の空気圧が高くなるため、ケースの隙間から吸気を行います。埃に弱いですが、あらゆる方向から冷却されるため、広範囲に冷却可能です。

  • 高機能なCPUクーラーの導入
    一般的に簡易水冷クーラーは空冷クーラーより冷却機能が高く、簡易水冷式クーラーに交換した方が手っ取り早く冷却効果を得られます。また、簡易水冷クーラーも1ファンで冷却する120mmモデルより、3ファンで冷却する360mmモデルの方が冷却性能が上がります。 グラフィックボードは、製品自体に最初から冷却機構が付属しているので基本的には意識しませんが、CPUと同じ冷却方式があります。
    ただ、グラフィックボードの簡易水冷式は値段が高いです。。。

CPUクーラーの主な冷却方式(クリックすると展開) 空 冷 式 :風を直接金属のラジエータに当てて放熱する。
簡易水冷式 :風を冷媒液が循環しているラジエータに当てて放熱する。後述する本格水冷とは対照的に製品内で冷却液の循環が完結している。
本格水冷式 :風を冷媒液が循環しているラジエータに当てて放熱するのは一緒。冷媒液がマザーボード全体を循環し、システム全体を冷やすような仕組み。各部品を自分で組み合わせて構成するため、水漏れしやすい。


簡易水冷クーラーの取付位置(クリックすると展開) 簡易水冷クーラーのラジエータはPCケースの前面か上部につけるのが多いと思います。
前面に吸気でつけるとCPUの冷却性能が上がります。しかし、簡易水冷クーラーで暖められた空気をPC内に取り込むため他の冷却性能が下がります。
上部に排気としてつけるとPC内で暖められた空気でラジエータを冷やすため、前面につけるよりCPU自体の冷却性能は下がります。
バランスを見つつ取付位置を調整するのも自作PCをつくる醍醐味ですね。

  • グリス及びサーマルシートの交換
    CPUやグラボのチップは排熱効率を上げるために、クーラーとの間にグリスやサーマルシートでクーラーに対して効率的に熱を排熱させています。 そのグリスやサーマルシートをさらに熱伝導率の高いものに交換する事によって冷却性能を上げます。 CPUはクーラーと別部品なのでグリス交換は容易ですが、グラフィックボードは基本的にチップと冷却機構が一体化して販売されているため、 サーマルシートを交換するために分解すると保証が切れるので要注意です。

消費電力自体を抑える。

冷えないなら消費電力を抑えて(機能を落として)しまえ理論となります。

  • グラフィック設定でグラフィックボードの機能を抑える。
    4K(4120×2160)表示からFHD(1980×1080)表示に変えてあげるだけで単純計算でグラフィックボードの使用率は4分の1になります。一番わかりやすくかつ手っ取り早く消費電力を抑える方法です。

  • BIOSからCPUの消費電力を抑える。
    製品スペックをよく見ると、最大消費電力とTDPというものがあります。TDPを意識しがちですが、最大消費電力というものも重要で、高負荷時に使用する最大の電力量となります。BIOSの設定によってどのくらい最大消費電力を維持し続けるかや、最大消費電力自体を抑えることが可能です。

  • グラフィックボード制御用ソフトから消費電力を抑える。
    自分が愛用しているMSIのグラフィックボードですとMSIアフターバーナーというソフトがMSI社より提供されています。グラフィックボードの使用率など見られるのでベンチマーク時などに活躍しますが、元々グラフィックボードの設定用ソフトのため、グラフィックボードの細かい設定が行えます。他のベンダーでもグラフィックボード制御用のソフトがあると思いますので、そちらを利用してみてください。

同じグラボでも値段が高いグレードのグラフィックボードは、冷却機能の差が大きいです。 自分が試した範囲では、MSIのRTX3080 VENTUSを利用していた時は最大80℃近く上がっていたグラフィックボードもMSI SUPRIMX RTX4080だと最大60℃以内で収まっていました。

最後に

いかがでしたでしょうか?ゲーミングPCは高機能なグラフィック機能を保持している分、普通のPCより排熱量が大きくなります。排熱量が冷却性能より大きいと、CPUの場合はサーマルスロットリングが発生し、処理落ちしますし、各部品に負荷が掛かるので製品寿命も短くなると思われます。
せっかく作成した自作PCなので部品まで大事に使えるようにしたいですね。

あ。発熱量高いPCの冬場はヒーターがいらないくらい部屋があったまります。。。