
この記事は社内向けに書いたブログを外部向けに修正したものです。
みなさん、おはようございます! CARTA fluct エンジニアのゆうちゃんです。
僕がいるチームではいわゆる「管理画面」を長いこと作っていました。かれこれ1年半以上でしょうか。
ここにおける管理画面とは社内外で利用されるプロダクトにおいて、社内の人間だけが利用するシステムを指します。ビジネス運用上必要であり、顧客が利用するわけではないので直接的に利益には影響しません。
大半の事業において「管理画面」と呼ばれるものはおおむね存在し、開発され続けるものだと思われます。 しかしそれが直接的に事業に売り上げをもたらすことはほぼありません。このような領域の業務を執り行った場合、どのように評価されるのが良いでしょうか...?
この記事ではソフトウェアエンジニアが遂行した業務の価値を、どのようにして上長などの評価者に示せば良いのか考えていきます。
僕と管理画面
新卒からCARTAに勤めていますが、僕のキャリアの半分以上は「管理画面」の設計と実装でした。
さて、CARTAには「技術力評価会」というエンジニア向けの制度があります。半期ごとに90分、自分の仕事と成果を他事業部のエンジニア2名に語り、フィードバックされるという制度です。説明用の資料とフィードバック資料はすべて社内のGitHubで公開されます。
当時の評価会資料を振り返ってみても、どうにも評価しづらいなという思いがあります。だって1円にもなっていないもの。
自分ですらそう思うので、評価者にも苦労させたんだろうなぁと考えています。 どうにかこうにか「自分のチームのメンバーには同じ轍を踏んでもらいたくない」という思いのもとで今文章をしたためています。そもそも自分が今までに受けたFBと同じFBをチームメイトが受けてたら、評価会の意義がないですよね。
前提として、利益に直接貢献しない労働の価値を示すのは難しい
利益に直接貢献しない労働の価値を示すことは、普通に難しいです。 今自分が「利益」に直接影響するような仕事をやっているからこそ、より難しさを実感しています。 例えば技術的負債を取り除くにしても、その価値を示すまでのプロセスが登壇資料になるぐらいには難しいです。
しかし目の前のチームや上長、ひいては評価者に対しては価値を示す必要が多々あります。 どうすればその仕事を遂行する(した)ことに納得(評価)してもらえるでしょう...?
いろんな尺度を用いる
自分たちは利益を立てることで会社に、そして我々の給料に還元しなければいけません。 しかしそれまでのプロセスにはさまざまな課題があるが故に、仕事にはたくさんのバリエーションがあるはずです。
純利益を増やす方法は「利益を増やす」と「損失を減らす」の2種類に大別され、全ての仕事は両者を実現するために発生します。
- 損失を取り除きたい
- 固定費・原価を減らしたい
- e.g.
- 利用費の高いSaaSを別のものに置き換えたい
- AWSリソースを余分に使っているので減らしたい
- e.g.
- ビジネス上のリスクを減らしたい
- e.g.
- チャーンレートを減らしたい
- セキュリティリスクを減らしたい
- 来るインシデントから早く復旧できるようにしたい
- インボイス制度に対応しなければいけない
- e.g.
- 固定費・原価を減らしたい
- 利益を伸ばしたい
- 利益を伸ばす機会を増やしたい
- e.g.
- ABテストを高速で検証できる土台を作りたい
- e.g.
- 利益を立てる速度を上げたい
- e.g.
- サービス導入までのリードタイムを削減したい
- リリースサイクルをもっと早めたい
- 日々必要とされる運用の工数を削減したい
- e.g.
- 利益を伸ばす機会を増やしたい
というように、MECEじゃなさそうな走り書きでもいろんな観点があり、これらはおおよそ定量的に変化を示せると考えています。 自分の仕事の価値を示すには定量的な影響度を示す必要があります。変化を示せるのであれば、評価も容易にできるはずです。
定量指標を示すのが難しいのであれば、着手前に死に物狂いで探します。頑張って仕事をしても、報われないのは悲しいですからね。 自分が必要だと思った仕事で、十分に価値を示してもそれが評価されないのであれば、また別の問題がありそうです。
なんにも評価される未来が見えない場合は何かが間違っている可能性を疑いましょう。
- 課題の認識
- 評価制度とのミスマッチ・評価制度自体の改善点
- そもそもあるいはやる必要のない仕事なのかもしれない
まとめ
- 利益を直接産まないプロダクトの開発で価値を伝えるのは、普通に難しいです
- いろんな尺度を用いて、定量的に示せるようにしましょう
- どう評価されるか?をベースに業務をデザインしましょう、その観点での考えがあれば自ずと本来の課題が見えてきます



