はじめに
CARTA MARKETING FIRMのさかきーと申します。
最近は頭の中にある情報を明文化しておくと言うことの重要性に気づいたので今後への意思表明としてここに置いてきたいと思います。
ただ振り返るのも二番煎じで面白くないので、この記事では僕が特にこの3ヶ月で意識した(思い知った)意思決定の話にフォーカスを当てて振り返っていきます。
ちなみに、伝えたいことは大体 "伝えたいこと" を読めばわかります。ここには特に新卒の皆さんには伝えたいことを書いています。
モチベーション
なぜ僕が意思決定をテーマに据えようと思ったのかについて話します。
僕はCARTAに入社してから、たびたびこの単語を耳にしてきました。
「それであなたが意思決定に関わったところは?」
「どうしてこの意思決定をしたの?」
こんな調子でさまざまなタイミングでこの単語を聞いた気がします。
それこそ内定者バイト時代や配属してすぐは、意思決定について意識することはあまりありませんでした。目の前のタスクをこなして、わからないところがあれば聞く。判断がつかないポイント(意思決定ポイント!)があればそれも聞きにいく。みたいなムーブで何とかなっていたからです。
しかし、週5日で仕事をしていく中で、そして何より評価会(社内評価制度の一環で、エンジニアがエンジニアを評価する会)の見学を通して、この認識は大きく変わりました。と言うのも、
- なぜその意思決定を下したかは、仕事の内容そのものと同じくらい重要
- 自立して一人前のチームメンバーとなるためには自分の意思決定に責任を持たなくてはならない
- 求められているのは、手を動かす人ではなく頭を動かす人
ということに気づいたからです。
社内で定められている "一人前のエンジニア” のグレードの定義にある以下の一文も、今思えば「意思決定できる奴が一人前になれるぜ」みたいなことにみえます。
・自分で仕事に課題/イシューを設定し解決する
そんな "意思決定" を重視する会社・チームで働く上で、求められていることとやってきたことを照らし合わせるために意思決定をテーマに添えて振り返ろうとなったわけですね。
バイト時代〜現在を振り返って
ここからが振り返りです。
具体的にやってきたタスクに目を当てて、意思決定のプロセスがどのように遷移して行ったかを話したいと思います。
〜バイト時代・ファーストリリース
僕は、CARTAに入社する前に、合計11ヶ月の間CARTAで内定者としてアルバイトを行なっていました。
この頃は、自分で意思決定はしていなかったも同然でした。上で述べたように、 "自分では選べないような選択肢が目の前に出てきた時には聞きに行って判断を仰ぐ" と言うムーブをすることで全てを解決していました。自分の仕事に責任を持っていなかったということですね。
とはいえ、判断を仰ぐと言っても丸投げすると言うわけでなく、「自分はこう思う」「ここまでは調べたがここがわからなくて判断できない」のような情報はまとめた上で聞きに行っていたので、そこはナイスムーブだったと思います。(この、 "わからないところを具体化するまで" に時間がかかりすぎて一生悩んでいたのはまた別の話)
セカンドタスク
配属されてから少し経った時にこのタスクをやりました。これがかなり大きなタスクで、このタスクを終えるまでに1ヶ月半以上かかっており、現に2024-07-11現在でもまだ残タスクが残っています。
このタスクではかなり色々な意思決定ポイントがあり、進め方にはずいぶん苦労しましたが、 "選択肢をまとめ、議論する" やり方をとっていました。2つの選択肢があった際には、それぞれの選択肢に対しての評価をし、それを話した上でどちらが良いかを議論することをしていました。
そうです、本質的にはファーストリリース時代とほぼ変わっていません。結局、意思決定の大部分をしていたのは相談に乗ってくれた人でした。ただ、このタスクでは質問をしにいく・意思決定をするサイクルはかなり円滑になってきていたので、仕事のスピードはずいぶん改善していたと思います。
また、細かな挑戦も増えてきました。できそうなタスクに手を上げるとか、海外の先方とのやり取りを自分でやってみる、とか。今思えばこれも仕事をする上での一つの意思決定でしたね。
現在〜
現在は、広告配信システムで用いている機械学習モデルを改善するタスクをやっています。
このタスクをやって、一つ大きな意思決定ポイントがありました。それは、 "微妙に設計通りじゃないけどすごく簡単な解決法" と "設計通りだけどだいぶ実装が大変な解決法" の中からどうするか選ぶ、と言うものでした。
僕は、これに関して「設計通りじゃないことを許容できるなら前者でいいか〜、設計通りじゃなきゃダメなら後者にするか」みたいなことを考えていました。しかもこの "許容できるかできないか" は自分で判断する気はなく、「許容できますかねぇ〜?」みたいに聞いて解決する気でいました。というかそれしかないと思っていました。
しかし、上長の方に「自分で決めてみて」と言われ、一つの新たな道を見つけました。
そうです、実は "許容できるかできないか" は自分で判断する選択肢もあったんですよ。それこそ、選択肢を定量的に評価できるならば、最終的な判断を自分で下しても良かったんです。(もちろんその判断の前に相談や議論はあったしレビューもしてもらったが)
もちろん、自分の知識が足りなくて判断を下せない、判断に自信がないと言うことはままあるでしょうが、 "選択肢を評価し、意思決定した上でそれをレビューしてもらう" という選択肢があると言うことを知りました。これは、自分は新卒だからと、知識がないからとできるはずもないと思っていたことで、しかし実際は求められていてやるべきことなのでした。
伝えたいこと
この3ヶ月を振り返ってみて、主に伝えたいことは以下の通りです。
- 自分が認識できていない選択肢を認識する
- 意思決定を自分でする
この2つです。
自分が認識できていない選択肢を認識する
意思決定において選択肢を把握することは重要です。選択肢が複数ある中で、各選択肢はどういうメリットがあって、どういったものなのかを理解することは意思決定を行う上でなくてはならないプロセスです。しかし、それ以外にも、 "その意思決定を行うための意思決定" のような、メタ的な視点での意思決定ができる場合もあります。
自分の例で言うと、 "複数の選択肢から一つ最良なものを選びたい" と言う意思決定があったとして、それを他人に判断してもらう選択肢しか見えていませんでしたが、実は、 "自分で判断して、その結果をレビューしてもらう" と言うもう一つの選択肢がそこにはあったわけです。特に新卒という立場では、このように選択肢として認識できない、しかし本来は求められている選択肢があります。
こういった選択肢を認識して、それを自分で評価して選べるようになることが本当に求められているエンジニア像なのかなと思ったりしました。
意思決定を自分でする
上で述べたように、実は意思決定って自分ですることができたんですよ。もしかしたら僕が遅れていて、「そんなの当たり前だよ!」といわれるとしょげるのですが、自分では判別できないような選択肢が目前に現れた時、その判断を他人に頼るのではなく、判別できるまで学びや質問をして、その上で自分で判断するってことが実は新卒にもできるんです。
もちろん、仕事を完全に理解している(煽りではないですよ)先輩や上長が判断を下した方がほとんどの場合スムーズに尚且つ良い判断になるでしょう。しかし、いつまで経ってもそれをやっていては自分の責任範囲を広げられません。それどころか、自分は一切の責任を持たず、ただ手を動かすだけの存在になってしまいます。それはCARTAで求められているエンジニアではないとグレード定義にも書いてありましたね。
おわりに
僕は、この3ヶ月ですごくすごく成長したと実感しています。
技術力的な成長ももちろんですが、何より仕事の進め方や自分の仕事をメタ的に見る視点、そしてここまでで述べたような意思決定能力がすごく上がったような気がします。
これはひとえに、チームの皆さんが認識をそろえて僕が成長できる環境・成長できる関わり方をしてくれたからだと思っています。
今後、さらに本格的に手を動かしていくことになるでしょうが、少しでも責任範囲を大きくして、チームに双方向で貢献できるようになっていきたいと思っています。そしてこれの達成のために必要なのが意思決定の力だった、というわけです。
そのために、まずは当面の目標として "自分で課題を見つけて解決できるエンジニア" になることを掲げているので、これも頑張っていきたいですね。
これは最近撮った綺麗なそらです