PHPerKaigi 2026 登壇の裏側と学び

TL; DR

想定読者

  • 外部登壇に興味があるけれど、一歩踏み出せずにいるエンジニアの方
  • PHPシステムのバージョンアップやリプレイス手法に興味がある方

この記事で伝えたいこと

  • 「初参加・初登壇」という無謀な挑戦で見えた景色
  • 準備不足とプレッシャーに押し潰されそうな時の支え
  • 自分の「当たり前」が誰かの「学び」に変わる瞬間

はじめに

こんにちは。CARTA HOLDINGSのアフィリエイト事業部(広告サービスを運営)でエンジニアをしているyish0です。普段は長年運用されているPHPシステムの保守や、PHPのバージョンアッププロジェクトに携わっています。

先日、PHPerKaigi 2026にて、自身初となるカンファレンス登壇をしてきました。右も左もわからない状態からのスタートでしたが、そこには想像以上の苦しさと、それを上回る収穫がありました。

登壇内容は以下の資料にまとめていますので、よければ先にご覧ください。

fortee.jp

24時間無停止で運用され、毎月しっかりと売上を生んでいるものの、PHP 5.6 / Amazon Linux 2 という古い環境で動いているアフィリエイト広告サービスのPHPバージョンアップ事例(PHP 5.6 → 8.4)を紹介しました。

登壇のきっかけ

きっかけは、技術広報の@ShuzoN__さんと同じ事業部のエンジニアの@brtriverさんからの「いいネタの仕事やってるし、出てみれば?」という一言でした。

正直、この仕事の話がそんなに面白いかな?という思いがありましたし、そもそもカンファレンスに参加したこともない自分が、初参加で登壇デビューするのはハードルが高すぎないか?とも思っていました。

ただ、プロポーザルを出してみるだけですし、よくない経験になったらやめればいい。逆にこういう機会がないと自分は今後も登壇しないだろうなという思いで、とりあえずプロポーザルだけは出してみることにしました。

そしたらまさかの採択。こうして初登壇が決まりました。

うまくいかない発表スライド準備

実はこの発表テーマの仕事はまだ全然終わっていない話で、なんなら発表を期限にして仕事を終わらせよう!くらいの気持ちでした。

せめて発表当日までに一部のエンドポイント移行(バージョンアップ対応済みのエンドポイントを新環境に移行する)だけでもしていないとダサい。そこで昼はバージョンアップ、夜はスライド作成に取り組む1週間を過ごしました。 しかし、せっかく作ったスライドが発表の4日前に社内レビューで構成の見直しを求められ、そこからの書き直し…

Before After
before
after

もう発表以外は何も見えなくなって、だいぶ追い込まれていました。

結局、エンドポイントは移行できないまま、前日の夜にやっと発表スライドが完成。ただ、練習する時間が絶望的に足りず、正直心がゾワゾワしていましたし、プレッシャーもすごかったです。

準備からの学び

準備は苦しかったですが、それを超えるくらいよかったこともありました。

発表資料を作成するときは、前述のお二人が全力でサポートしてくれましたし、チャンネルやオフィスで会う人たちも「応援してる!」と声をかけてくれました。やっぱりCARTAは、何かにチャレンジする人をちゃんと応援してくれるんだなというのを改めて感じられて、それだけでも準備を頑張れた理由になっていたと思います。

また、社外のドメイン知識やコンテキストがまったく違う人向けに資料を整える中で、タスクの全体像やメリットの伝え方を改めて考えることになりました。「もっとここはうまくできたな」「こういう状況って実は一般的にはほぼないよな」といった気づきもあって、準備そのものが仕事の振り返りと思考の整理になっていました。

怒涛の登壇当日

前日夜にやっと発表資料が出来上がったので、当日の午前はPHPerKaigiに参加せず家でひたすら発表練習。午後から現地入りしたものの、頭の中は自分の発表のことでいっぱいでした。

そんな中、自分の前の順番がPHPコミュニティでは有名な方だったので、会場は満席に。プレッシャーで正直逃げ出したくなりましたが、いざ自分の順番になると目の前でCARTAのメンバーたちが応援してくれたり笑ってくれて、一気に緊張がほぐれました。おかげで話したいことがちゃんと話せて、終わったときはただただホッとしました。

発表の反応

X(旧Twitter)でも盛り上がりました。 特に嬉しかった反応がこちらです。

正直、実はみんな知ってる話をしているだけで、つまらないんじゃないかな?とずっと不安でした。 でも「ミラーリング知らなかった!」という反応を見た瞬間、それだけで救われた気がしました。一人でも新しい情報を持ち帰ってもらえたなら、発表してよかったと素直に思えます。

それに、発表中も辛い話ではみんな笑ってくれたり、発表後の質問タイムでもたくさん質問をいただきました。発表前までの心配が全て無駄だったなと感じています。

次回からはなにをモチベにするか

イベント当日の夜、同日『「接続」—パフォーマンスチューニングの最後の一手 〜点と点を結ぶ、その一瞬のために』で登壇された @KentarouTakedaさんと飲みに行く機会がありました。

そこで「登壇のモチベーションって何ですか?」と尋ねてみたところ、「利己的な理由」と「利他的な理由」の2つがあるとのこと。

利己的な理由としては「後で何度も同じことを説明するのは大変だから、この資料を読んで!で済ませたい」というもの。一方、利他的な理由としては「コミュニティの発展に貢献したいし、純粋に情報を共有するのが楽しいから」と語ってくれました。

その話を聞いて、「じゃあ、自分自身のモチベーションはどこにあるのだろう?」と改めて振り返ってみました。私の場合、こんな思いが原動力になりそうです。

  • 一人でも何かを持ち帰ってくれているのが嬉しい
  • 自分の思考を整理できる
  • もっといろんなコミュニティの人と話すきっかけになる
  • カンファレンス参加の動機づけになる

振り返ってみると色々なモチベーションがあることに気づけたけど、今回は正直準備に追われてしまい、カンファレンス自体を楽しむ余裕がありませんでした。せっかくの色んな人と話すチャンスだったのに少しもったいなかったです。

次回からはもっと早めに準備を終わらせて他の人の発表もしっかり聞きつつ、イベント全体の空気を楽しみたいですね。そのためにもまたぜひ登壇の機会を作りたいと思っています。